邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

青春の改札vol.3 感想

いわゆる関係者に会うたびに「今バンドだけじゃなくて、関西は学生世代のイベンターもすごいですよ」と言ってきてるのですが、その筆頭グループのイベントがこの「青春の改札」。
ライブハウスが好きな20歳の2人が、本当に愛を持って、かつ妥協しないで声をかけていることがラインナップで分かるでしょう。
というかこの日関東ではBAYCAMP。普通にそっちに出ててもおかしくないメンツ。主催のりゅう君に「どうやって呼んだの?」と聞いたら「気合い」って返ってきました。逆にそうじゃないと無理よな。

イベンター同士で関係性があるとか抜きに「これぞライブハウス!」という日の感想は残しときたい!と思ってライブの感想をXのメモと共に連連と残します。

①ma℃ister

最初は想像以上にフロアの「見てやろう」感があったけど、しっかり拍手が来て安心。
この1年で何回も演ってきたセカランとの照明とのコンビネーションの良さも相まって、ちゃんとライブバンドというのが届いたと思う。
特にベースがすごい唸りを上げてた。竜。

他のバンドからMCで触れられたことも、きっとこれから力に変えるのは、彼女達をイベントに呼んだことある者として保証します。

②猫背のネイビーセゾン

1曲目に新曲の『kimiOS』だったけど、既にライブハウスリスナーのアンセムまでなってる。
その後もサウンドのみならず、井上さんと岡さんの息の合ったボーカルワークから生まれる絶妙な煽り具合で会場に一体感生んでいた。

後半にはギターの横山さんまで煽って、熱とサイコキャッチーなリズムで狂乱状態。
でもラス前の『ロールプレイング』って曲かな。ストレートなロックチューンで、何かの少年漫画のアニメ主題歌でも決まったのかと思った。めっちゃ良い。
それでも最後は”魔術師”岡の登場からの『愛想のまちがい』で猫背らしく締めた。

③606号室

最後にはこの骨太なメンツの中に組み込まれたことが分かるライブだったはず。
状況を見て、メンバーが気持ちをさらに前に前に出してたような気がして、久々に見たのはあるかもしれないけど、剛柔で言うとこの”剛”が多めに出てた気がする。
それはやっぱりこの1年くらい4ピースとして安定してきたことで、地力が付いてきたの証明だったように感じた。代表曲の『君のこと』『未恋』もスゴい音に張りがあったもんね。

コールド勝ちと書いたのは、青春→部活という話から、ボーカルが元野球部ということが今日判明したからです。

④ちゃくら

なんかSEからすごく勝負姿勢だった。
年齢で言えばma℃isterの次に若いと思うけど、今回の中ではある意味一番青春感がなかったように思った。それは青春と言われる時に抱えた心境に対して「だからこそ今、バンドをやっている。そしてこれからも」という”青春の先”のような姿勢が全開だったからなようにMCからも感じた。

それも今日出演するロックバンドとしての姿勢として大正解だったと思う。苦んだことも隠さない彼女達のライブによって、今、近くにいる人を大切にしたいという気持ちを強めた人は多いんじゃないかな。
新曲も含め、2024モードのちゃくらでした。

⑤Sunny Girl

ここまで出てきたバンドのMCや煽りにも触れながらライブを進めてて、ひょっとしたら噛みついてたように聞こえた人もいるかもだけど、
新たな出会いに感謝してたし、最初に「オープニングアクトという言葉は嫌い」、最後に「すいません!1分押しました!」というところから、本当にフラットなライブを求めてたんじゃないかと思った。理屈とか優しさとかじゃなく、もっとシンプルにライブに向き合う厳しさ。ここにリスナーは感じるものがあって付いてきたんだろうな。
そんなサニガに信頼される、このイベントよ。

そんなバンドが書いてんだから、曲自体が素晴らしいのも自然だよなぁ。

⑥ペルシカリア

メモはもうこれしか残ってなかった。
でも光景はね、忘れられない。『さよならロングヘアー』で矢口さんはフロア降りてくるし。反省してたけど。8時間も待ったんだから仕方ないよね。

こんなダイバー続出な感じでは、僕が見た時はなかったんだけどな。コロナの状況云々じゃなくて、ペルシカリアの成長と共に、新曲の強さはもちろん、既存曲の斬れ味も増してそうなったんだろうなと思う。SEがRADの『グーの音』だったんだけど、RADから邦ロック入って15年の僕からしても似た角度感じてる。
しかも同年代の盟友Blue Mashへの対抗心も全開。本気でかかってくる。MCでも何度も「愛してます!」「幸せにする!」と言ってたけど、何よりも矢のように降り注ぐ本気のライブが最高の愛情表現だった。

⑦Blue Mash

メモとか要らねーと思っちゃった。

激賞なライブやフロアの雰囲気が続いた中でも「ライブ前からドキドキしてたのは、こんなフロアでライブする俺らカッコ良すぎるだろうなと思って」「歌うな!拳上げて俺だけ見てろ!」という言葉は、そんな中でも過去更新はノルマという、ある意味いつも通りのBlue Mashだった。僕もどんどん『春のまま』好きになってるし。

いつもと違ったのは、やっぱりこのイベントの主催者の覚悟を受け取った分の気合とお客さんの青春に残す責任、高1から始めたBlue Mashが続いてることをメンバーに感謝するシーンがあったこと。
「続けたら良いことがある」じゃなくて、「続けないと良いことはない」ということを、そのライブを持って証明した。


あとがき

まず後半サニガ、ペルシカリア、Blue Mashとまとめたタイムテーブル見事すぎた。

各バンドが青春について触れたMCがあって、本当にそれはそれぞれだったから、誰かの言葉に揺れ動かされたんじゃないかな。
僕は普通に学校楽しんだり、勉強頑張ったりしたバンドマンがステージに立ってると、僕もそっち側なので嬉しかったりした。もう10年前とかだけど…

本当に主催の2人はライブたくさん見に行ってるし、それもあってか十代白書世代のバンドマンも実はいっぱいいた。
まだまだこの流れは続きそうだし、ほな僕はまた違う角度のイベントで刺激与えましょうかね!