邦ロック最前線情報局

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遊津場pre.先取りインディーズアーティスト年間大賞!

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ブログ開設以降、毎月「月間先取りアーティスト大賞!」を決めて発表しておりましたが、ついに1年が経ち、2018年の月間チャンピオン達が出揃いました。
三日坊主と言われてた僕、頑張った。

で、もうこれはさ、ROJACKとMASH FIGHTをパクるしかないじゃないですか。
フェスにも出れないし、レーベルにも所属できないし、ライブ見に行くくらいしかできないけど。(それもできてない)
でも年間ベストソングを決めてるブロガーさんは多いけど、そのインディーズ版を決めるのは珍しくない?(ビュー数の観点で言えばアレですけど)(僕もトータルの年間ベストソング決めて発表するけど)
マジで2年後には貴重な資料になっててもおかしくないです!


そもそもTwitterで紹介する時点で、僕は応援したいと思ったものだけ選んでて、だからこそレビューも付けて、継続的な紹介を頑張っているつもりです。
音源はYOUTUBEやEggsでしか分からないですけど、SNSの使い方や、HPの運用、ライブ予定、現在・未来のロックシーンとの相性などを考えて、紹介しています。

だから実際紹介しているバンド過去約200組は全員ブレイクの可能性があると思っています。
今年は他にもMr.ふぉるてUMEILOなんかも先取りできました。まぁ好きになるのに、早い遅いは絶対関係ないですけど嬉しかったです。


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↑ふぉるてのライブも見ました。カッコよかったです。



なので本当は固定ツイートのバンド全部ですが、せめてこの12組を聴いてほしいです。僕が業界がどうとか言うのは、おこがましいですが、曲に触れて胸が「ザワッ」となるあの感じ。
そういう経験が増えれば増えるほど、感受性、はたまた人生は豊かになると思うし、これでバンドだけに閉じ籠ってはダメですが、いろんな文化や仕事に触れるきっかけにも、なるんじゃないかなと思います。


まぁこんなこと言ってるくせに、そこらへんの社会人Aをやってしまってるんですけど(笑)。
実は少しだけそういうものに昔から関わっているので話しました。
偉そうにすいません。


それでは、まずこの12組の良さに触れていきましょう!



長ったらしい総評


まずやはり先取るという点において、革新性みたいなものが強いと嬉しくなる。
そこで秀でているのは、やはり和太鼓というパートのある暁音(@AkaneLiveinfo)になってくる。
しかも彼らは奇をてらうだけじゃなく、ちゃんと勝ちきれるだけの世界観を持ち合わせている。それは詞であったり、パフォーマンスだったりするわけで、今年ミナホ出演を決めたり、eo music tryの決勝にも残れたことが、それを証明している。
でも新しければいいわけでもない。「いそうでいなかった」というバンドもやはりシーンで勝ち残る。そこで凄いと思ったのは、立ち耳スコティッシュフォールド。(@tachimimisuco)
男女ツインボーカルの歌もの、というのはありがちだが、その男女2人が、どちらの歌声も飛び道具になってない。必然性のある絶妙なバランスで成り立っており、よりバンドの持つ柔らかさや繊細さが際立っているように感じる。2人の声質が違うのもニクい。
もう二度と逢えない私へ(@nidoto_aenai)も、こういう鬱ロックの類にありながら、切れ味のあるギターサウンドで鳴らす女性ボーカルバンドというのは、実はあまりいないだろう。
世界観的に普通はどこか重さが残るところがあるが、メッセージ性を保ちつつ、このバンドはすごく聴き後味がスッキリしており、Suck a Stew Dryを思い起こさせるものがあった。(THURSDAY'S YOUTHではちょっと重くなってる気がする)

ただそういう驚きとは別に、不変のバンドスタイルを追及して、自分のスタイルを出し、虜になったバンドもいる。
聴いてすぐライブバンドだと分かるPASTLEAKS(@past_leaks_)や、フォークサウンドや洋楽的な要素がきっちり組み立てられているFancy Girl Cinema(@fgcthebandjp)はそれにあたる。
この2組には間違いなく一定層は好きになるし、そこからさらに多くの人を巻き込んでいくだけの、PASTLEAKSなら歌詞の温度の強さ、 Fancy Girl Cinemaなら普遍的なキャッチーなリズムを持ち合わせていると思った。

Depressed disorder in December(@Dd_in_12)やnee(@nee_tensai)に関しては、まず根本から人とは違うアーティスト性がある。
どちらも所謂「狂ってる」なんだけど、それが音楽に乗ると、世界を変えるような力を携え天井なしに心を突き上げてくるのだ。
いろいろ脆さあってのそれなので、一筋縄でいくかどうかは分からないが、誰にも真似できないこの2組はとんでもない大化けをする可能性も同時に秘めている。
EGGEST(@EGGEST_q_m_e_s)に関しても、曲やグルーブ感はバンドの根底から出てくるキャラクターのユニークさや強さがあると感じていて、上記2組のような感じとは違う緩めな雰囲気だが、赤い公園的なブレイクをしてもおかしくないガールズバンドだと思った。


ここまではどちらかと言うと、バンドのパーソナルなセンスへの期待を語ったが、やはり曲単体の強さやYouTubeの再生回数の伸びも無視できるわけはない。
曲の良さもそりゃ全バンドいいに決まっているのだが、
grumble grumble(@grumble_office)とinsomnia girl(@insom_0817)は、この中ではネット上で伸びを見せている。
この2組はMVもいい。
ハイクオリティーなクリエイターが創るようなMVのgrumble grumble『灰花』、
歌詞の世界観通り就活をテーマにアイデンティティを面白く、そしてカッコよく描くinsomnia girlの『10分前後の戦争』。
ただ曲の思っている通りのMVが作れるというのは、やはり実力があるからで、
insomnia girlのメンバーは現役大卒社会人で経験値はあるし、
grumble grumbleも岡山という地でしっかり爪を研いできたからこそ、
満を持してこの曲をこの形のMVにして持ってきたんだと思う。

93°(@93_kjsd)とchick in wisteria(@wis_chick_teria)のMVが伸びない理由がわからない。
実力派が集まっているライブバンドだし、どちらも非常にドラマチックで瞬きさえ忘れそうになる。
特にchick in wisiteriaのありきたりをあえて歌うという潔さは、今までなかったカッコよさだし、
『おやすみ』なんてSaucy Dogの『いつか』に迫るロックバラードだと思っている。
93°もそうだが、まぁこういうバンドはコツコツと、むしろ派手な賞とかはいらず、一歩ずつ前に行くことで評価されるタイプだと信じている。ircle的な。




それでは、こういう青字にした様々な要素から見た、遊津場的、今後期待の今年の先取りアーティストベスト3を発表します!


第3位!!!






grumble grumble!

grumble grumble -『灰花』Music Video - YouTube


☆選考理由☆

まずは『灰花』が読み通り、邦ロック好きが一番くすぐられるような言葉選びとテンポと世界観で評価を受けていて、なおかつMVから最近特に近い位置に来ている歌い手ファンの層も、嫌味なくしっかり取り込めている。
今流れとしてある「ネット→ロック」からの流入で空いている穴に対し、待ち受けず積極的に突撃するバンドとして、今後新たな道を切り開いていきそうな気がした。

ただそれってものすごく実力がないと難しいことである。
ただgrumble grumbleはまだ全国的には無名であるが、全国的に期待されている若手バンドがツアーで岡山でする際には、高確率であてがわれていて、恐らくいつ上京や大阪入りしても問題ないくらいには岡山の若手エースと言える実力があると思う。

また最近は隣県の広島のロックシーンが熱く、CRAZY VODKA TONICやゆるふわリムーブ、atelier room、アメノイロ。などが出てきており、最近それに触発される形でgrumble grumble以外にも岡山には面白い若手が出てきており、サーキットイベントもどんどん魅力的になっている。
このまま中国地方の若手ロックシーンが熱くなれば、grumble grumbleにもより多くのチャンスがあって、よりバンドが大きくなれる気がするのだ。

もちろん他の曲も聴いてるが、非常にインテリジェンスさがあり、そういったチャンスや『灰花』で得た注目を、力技だけでなんとかしようとして引かれるタイプではないと思う。

とにもかくにもgrumble grumble、そして今後の中国地方のシーンの活性化の期待も込めて、3位としました!
会ったらシュガーフライ用意しなきゃ!



続いて……



準グランプリ!!!




暁音!!

暁音 - 誰も(Music video)AKANE - "No one" 和太鼓×電子音 - YouTube


☆選考理由☆

大阪にDIPLOMA CIRCUITという、ある専門学校が主催するサーキットイベントがあって、他の著名なサーキットに負けない、かなり伸び盛りな若手バンドが名を連ねていたんだけど、そのサーキットの昨年のオープニングアクトのオーディションで優勝したということで聴いてみたのが出会い。
その後の活躍はさっき書いた通りだが、ワンマンも行い、東京にもよく呼ばれてたし、アートワークとかもしっかりこだわっていて雰囲気に合っていて、でもしっかりネットでも発信していて、単純に応援したくなるバンドだ。

まだメンバーも20才だから、これからの伸び代も期待できて、先日公開された新作Trailerもビリっとくるものがあった。

何度かチャンスはあったものの、結果まだライブが見れていないのが非常に残念。
恐らく2月のDIPLOMA CIRCUITには行けるので、話題となっている新感覚の強いパフォーマンスを焼き付けたい!



さぁラストの発表!




グランプリ!!!



初開催の今年のベスト先取りアーティスト大賞、グランプリは……!





立ち耳スコティッシュフォールド

【MV】「猫の自由」 立ち耳スコティッシュフォールド (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube


☆選考理由☆

他の人にはどう聴こえるのだろう?
このツインボーカルの入れ替わりのタイミング感覚というのは!
MV曲自体はこの『猫の自由』も『青い森』も聴かせるタイプで早いわけではないんだけど、ものすごくメリハリが付いているから、僕にとっては本当は弛みなく耳に溶け込んでくる。(MVない曲には疾走感あるのもあるけど)
歌詞もなかなかに表現がリアリティで情景描写が浮かんでくるし、他の男女ツインボーカルにありがちな、無理な女性のキャピキャピ感というか、変にバランスを取ってる感じもなく、ものすごい繊細なセンスで自然体で等身大を歌っていると思った。

そしてこのバンドは今年、ありとあらゆるオーディションなどに選出された。
ROJACKで2組のみの2期連続入賞、Eggsマンスリープッシュ、MASHマンスリープッシュ、eo music try二次審査、ITAMI GREEN JAM、404オーディション、ニューカマー発見伝、りんご音楽祭………
ITAMIはグランプリを獲ったし、他のもとりあえずガバーっと大量にいる一次審査通過組に選ばれたとかではなくて、
ギュッと絞られた数%の中の1組として選ばれ続けていた。
対バン相手もどんどん関西の実力者との共演が増えている。

ただ今回の12組の中でも、ブレイクスピードはそこまで早くないかもしれない。
単純に歌ものはYOUTUBE映えというか、ネット映えするジャンルじゃないし、まだ結成して間もないバンドでもある。
ライブも6月に見たが、まだまだ初々しい感じは否めなかった。多分性格的にも大人しいし、派手なパフォーマンスとかは今後もないだろう。
でもやっている音楽は間違いないし、意外とノイジーな面もあり、時が経つほどに空間を掌握する力も、より聴き手の芯を揺らすような歌詞も書ける力も付くに違いない。

それは数少ない同じ2度のROJACK(当時はRO69)で入賞経験のある、関西の先輩でやっと今年全国区の存在になった、ハンブレッダーズのように、真摯な歌とバンドサウンドの力で、立ち耳スコティッシュフォールドも今後伸びていくだろう。

まさに"2年先を行く先取り"に最もふさわしいので、今回グランプリです!
おめでとうございます!



って言っても「はぁ」と苦笑いしかされないでしょうが(笑)



まーとーめー

まぁある程度フォロワーも増えたし、グランプリ形式なんかで紹介したら「優劣つけとんのか」感もありますが、どうせ沢山フォローいただいているなら自分の好みを押し付けるより、いろんなタイプを紹介して「2018年忖度ない真の無名バンドNo.1決定戦!」っていうほうが気になりませんか?
もちろん好きなものは前提ですが、なるべくいろんな種類のバンドを知ってもらえたら嬉しいなと思います。

なんせ2歩先くらいを目標に先取りしてるもんで、
紹介したものの「あんまり活動してるわけではなかった!」だったり、一瞬で解散した!ってこともあります。
だからこそその分、多くの人に知られていくようになると喜びもひとしおです。
インディーズバンド好きの中には「あんまり売れて欲しくなかった」という人もいますが、僕はじゃんじゃん売れちゃえ、と思っているので、この冬休みに時間があれば、ぜひどんどん聴き漁ってみていただきたいです!


あとはクリスマスあたりにメジャー・マイナーごった煮のトータルベストソング20も発表するので、よろしくお願いします!




それでは、この辺で