このブログは、
sumikaのきっかけ
→sumikaのファンになれない理由
→それをも覆した今作のsumika
で、形成されてるにわか全開文です。
というか、にわかでいたからこそ書けたブログです。
なのでsumikaの最近をよく知らないなりに書いたんで、細かな情報不足は許してほしいです!
あまりに突然すぎたsumikaブーストに追い付けなかった僕
sumikaは今や押しも押されぬ人気ロックバンドで、邦ロックをsumikaから入る人も多いでしょう。
ただ20代くらいの人は『ふっかつのじゅもん』から入った人が多いし、元々この曲が話題となって、世間に広まっていったんですよね。僕もその一人。
『ふっかつのじゅもん』は説明不要かもしれませんが、遊び心がありつつもギュインギュインにギターが鳴り響くギターロックです。
さらにその次に公開したのは『グライダースライダー』。これはかなり自分達の決意を全面に押し出した疾走感がすごいロックチューンです。
他にも『ソーダ』や『リグレット』なんかもロックチューン!って感じだし、『I co Y』『Vital Apartment』とアルバムの内容を聴き通じてもそう。
なのでこの時まで、「あぁ、sumikaはあくまで世界観がポップなだけで、サウンドはキュウソネコカミみたいに、キーボードはいるけどあくまでロックらしいロックで戦うバンドなんだな」って思ってました。
しかしこの曲でガラリとその印象を変えました。
sumika / Lovers【Music Video】 - YouTube
焦った。
まさかのミュージカル化。
本当に横からアニーが飛び出てきてもなんら不思議じゃない。
結論を言えば、この曲が完全にsumikaを武道館を簡単にソールドアウトするバンドに押し上げました。
世間が求めていたのはこういうポップロックかと。
星野源とsumikaはロックシーンの中にポップの強さを見せつけて、シーンを変えたと思います。
でも、僕はこの『Lovers/伝言歌』以降、sumikaのCDを買わなくなりました。
やっぱり僕の中には『ふっかつのじゅもん』『グライダースライダー』の印象があまりにも強すぎて、あのポップさや誠実さについていけなくなったんですよね。
それも徐々になるなら、まだついてけたけど、一気に振り切りました。
これはやはり、いろんな音楽以外のアーティストとの出会いを大切にして、他のバンドより様々な目線を手に入れたsumikaだからこそ持つブーストでしょう。
それでもまぁYOUTUBEでは毎回確認してたんだけど、そういうの聴きたくて、僕はバンドを漁ってるんじゃないというところまで、音楽が美しくなったなって思ったんですよ。
口調が一番変わってて、優しくなったなーと思います。
だからこそ、sumikaのライブは娘だけでなく、母連れがメチャクチャ多いという現状を生んだのだと思うし、sumikaが他にはない癒し効果があるのは百も承知。
でも、僕は音楽に癒されたいときは逆に、凛として時雨とかamazarashiとか深く暗く激しいのを聴くタイプなんですよ。
いや、よく聴けよと思うかもしれないけど、やっぱり片岡さんの曲は、性格イケメンが溢れすぎていて、特に当時、新卒の会社失敗して卑屈な状態の僕には美しくなりすぎた……
『ふっかつのじゅもん』や『グライダースライダー』を聴いたときは、まだそういうひねくれも期待してた部分があって聴き始めていた部分もあったんです。
だからamazarashiとまでは言わなくても、BUMPやRADレベルの重い曲の名曲を生み出すのを待ってる自分がいて……待ってて……結局来なかったと思いました。
『ペルソナ・プロムナード』は久々にダークな部分が出たMVでしたが、二面性あるじゃん!と思うほどではなかったですね。
そんなひねくれ者の心をこじ開けるほど、【ポップでロック】な『ファンファーレ』
しかしこの『ファンファーレ』は強い!
sumika / ファンファーレ【MUSIC VIDEO】 - YouTube
シーンを変えた美しいポップさそのままに、僕が『グライダースライダー』に出会ったときの疾走感、そして1つの目標を目指してる時のギラギラしている感が、一気に押し寄せてくる!
二面性を感じたいと思ってたら、1曲で二面性を出してきました。
こんなに爽やかなのに!?
嘘でしょ!?
この曲はベストセラー小説で実写映画化もされた『君の膵臓を僕はたべたい』のために書き下ろされた挿入歌です。(主題歌は同じくsumikaで『春夏秋冬』)
詳しいあらすじは省略しますが、高校時代が大きなキーポイントとなっている哀しい系の恋愛小説です。
MVでも10代特有の"蒼さ"を表現したとありまして、その蒼さの疾走感が曲にもしっかりと出ていますが、この加速度はsumikaだけでは出せなかったものだと感じます。
それがやはり書き下ろし楽曲のいいところで、作品の質によっては逆にも出ますが、このコラボに関しては、sumikaの創作力を120%に引き上げたと言っていいでしょう。
その結果、作品から若い力を強烈にインプットしたsumikaが、最近出し損ねていたかもしれない無鉄砲さを取り戻した。そんな曲になっています。
ここがよくあるロックチューンとは違うところでしょうね。
そしてさらに気になるのは『春夏秋冬』
これもなんか映画の予告のBGM聴くだけで泣きそうになった……
こっちはバラード調でしょうが、これにも書き下ろしマジックがかかってそうだし、元々バラードは歌わせたら、今のバンドではトップクラスですから、絶対いい曲だと思います。
「sumika、最近ポップすぎてちょっと……」と言って、勝負を避けていたロック好きが投げたボール球をも、完璧に捉えられるほど、sumikaは究極体になったかもしれません。
もう打たれたほうは笑うしかない。
そして聴き惚れるだけ。
あとはこれが、
ONE OK ROCKにとっての『るろうに剣心』、
RADWIMPSにとっての『君の名は。』になるか。
ブレイクからさらに一歩超える存在になるために必要な鍵を、今のsumikaは持つとこまで来たなと思います。
まとめ~片岡さんは憑依型?
隣はミセスのもっくん
なんとなくこれまではsumikaの歌詞って、インプットも多くしてるけど、最終的には片岡さん目線や片岡さんの経験・今の気持ちが強く反映されているバンドに思ってました。
片岡さんというかsumika自身、とても苦労人で評価され始めていた前身バンドbanbiが不可解な形で活動休止になったらしいし、大事なライブ前に喉の調子を崩したり、ロッキン前に機材が盗まれたりと都度都度ヤバいことがありました。
ただそれを毎回前向きに跳ね飛ばしてきたというそのメンタルや感性は、プロアーティストになるべくしてなる男なんだと思います。
ただ今年に入ってから『ヲタクに恋は難しい』の書き下ろし主題歌『フィクション』はアニメファンからも好評。
春アニメ最大の話題作で、「社会人が主人公のオタク日常コメディ」という、思えばなかなかハードル高い設定だなという世界観を見事に表現しました。
またFM802のキャンペーンソング『栞』にもボーカリストととして参加し、タイプの違うクセ声を持つクリープハイプ尾崎世界観の作った世界観に見事にフィットしていました。
そしてこの『キミスイ』ではまぁ瑞々しい10代感、
今年に入ってsumikaはとんだ名役者だと思いました。菅田将暉もビックリの憑依力です。
圧倒的な自分のスタンスがあるがゆえに、もう一伸びいけない売れっ子バンドは多くいます。
そことは一線をなすために、sumikaは強烈にポップ路線に振り切ったのかもしれない。
そこでロックバンドという縛りでは出会えないインプットをたくさんしたのではないだろうか。
そして、その成果が『キミスイ』で爆発したかもしれない。
だから、僕みたいに『Lovers』あたりでいったん離れた邦ロック好きも、この『ファンファーレ』でまた聴き始めてみてはどうでしょうか?
今のsumikaの奥深さは想像を越えてるかもしれませんし、昔の曲も今聴けばすごくロックに聴こえるかもしれませんよ。
それでは、この辺で