邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

seeeeecun(しーくん)という人も邦ロックシーンに殴り込みかけるかもよ

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須田景凪(バルーン)、Eve、ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに…
2010年前後に流行ったボカロや歌い手のネット音楽シーンは廃ったというけれど、
少し形を変えて、なんなら少し勢いを増して、現代の音楽シーンに存在していると思います。


その形の変わり方はまぁ様々な要素があるし、
とりわけ今の邦ロック好き10代の子にそれを語ろうものなら、
その当時流行ったじんPとか『初音ミクの消失』やらの歴史をしっかり紐解き、
米津玄師やヒトリエBUMP OF CHICKENの『ray』やらサイダーガールについてまで語る必要が出てくるかもしれないので、
そんな歴史を勉強していく時間もないし、別に【今】鳴ってる音楽を楽しめばいいと思います。

ただこのシーンは邦ロック好きとしても見逃せないし、
単純にいつもの漁り癖をちょっと邦ロックのインディーズシーンじゃないところで出した結果、
「ひょっとしたら」っていう人と見つけたので書いてみました。


seeeeecun(しーくん)という方です。



王道と、それを超える中毒性が

seeeeecun - 疑神暗鬼 (Official Music Video) - YouTube

もうTwitterのフォロワー数は1万を超えているし、既にボカロクリエイターとして5年近く活躍されています。
ただなんとなくこの界隈と、邦ロック界隈ではフォロワー数や再生回数の価値観が違いそうだから、
単純に有名レベルを比較できないし、正直まだ邦ロック好きはそこまで知らないでしょう。(まぁ逆も然りですけど)
ちなみは普段はサラリーマンだそうです。


ボカロPの時は「しーくん」で、
自分が歌う時とかバンドは「seeeeecun」なんでしょうか。

本人によるライブ活動増えてきてます。
まずこういう時に気になるかもしれないのは本人の歌声ですが、ハイトーンのイケボです。
でも少年味のある感じではなく、年相応の大人な落ち着きのあるハイトーンで、複雑なサウンドにも十二分に絡み合ってます。

でも組み立て自体はボカロ曲も含め、どの曲も結構聴き心地よくて、
しっかり色を残すイントロから、Aメロ、時に大胆に転調するBメロから、サビらしい強いサビ、
そこから飽きることなく、Cメロから突き抜けて照度が上がるようなラスサビとなっており、
割とジェットコースター感覚なんだけど、期待にちゃんと答える安心感があります。
これはその2010年代からのネット音楽の歴史をしっかり踏襲した組み立てがあるからかなと思い、そこが安心感であり、今の子にもしっかり届くものではないかと感じます。

ただやはり歌詞。
サウンドの中毒性を抜群に進化させている。
結構口語体や自分や第三者のセリフっぽいのが出てくるんだけど、
その曲中のキャラクターの本心と歌のストーリーを霞ませることなく、
見事な言葉のリズムを刻んでいます。

それは難しい言葉すぎてもダメだし、1番と2番で同じ言葉を連呼しすぎてもダメ。
豊富な語彙力とそれをトリッキーに組み立てる能力は高く、聴けば聴くほど縦ノリがしたくなる。

ネット音楽って結構MVありきで、絵のストーリー性も重要だし、邦ロック以上に歌詞が前面に押し出されるから、ノリだけでごまかせず、
あまりスルメ的な音楽を保つのってかなり難しいことだと思う。
ただこの『疑神暗鬼』なんて特にそうだけど、みんなが自然と手拍子や軽いステップを踏むことがもう組み込まれているような気がするレベルで、
やっぱり邦ロック好きからは「ライブを視野に入れているのかな」と過剰に反応してしまいます。

その意識があるかどうかは分かりませんが、
インタビューとかも読んだんですけど、今の流行りらしいメロディアス路線ではなく、元々ひねくれたサウンドものが性に合うそうです。
この中毒性の才能は邦ロック好きにも広がれば、間違いなく、そして意外と新しく、ウケはいいでしょうね。
それでいて心に刺さる歌詞を繰り出してますから。

で、ライブするんですよね。実際に。
いわゆる若手バンドの登竜門的なところでしっかりと。


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まーとーめー


唐突にまとめになっちゃうんですが、僕は別に今のフェスブームにネット出身アーティストがいようが、アイドルがいようが、アニソンがいようが、大丈夫なタイプです。
というか既にVtuberのぼっちぼろまる推してるし(紹介当時はVtuberじゃなかったし、今もロックソロアーティストとして見てるけど)

ただ一番好きなのはやっぱりバンドなので、そういうシーンからも色々吸収して、いい影響を受ければいいなと思いますし、
互いのシーンもそうしあって、いろんな活性化が起こればいいなと思いますし、
その流れで行くでしょう。

また、バンドにはバンドの強さがあると思います。
正直インテリロジック溢れる歌詞とか、細かなサウンド勝負で土俵に上がると、
ネットシーンには強者が多いことは、
最初の4組やそもそも完全に定着した先人達を見れば明白です。
他にも最近のアイドルは容姿だけじゃなく、盛り上げることに関してはかなりプロだし、
アニソンも歌唱力のレベルは相当高い。

こういうところがどんどんライブを意識して、泥臭い輝きも放つようになっています。

多様化するライブシーンにおいて、今の若手バンドはバンドのライバルだけでなく、
Eveに、ずとまよに、BiSHに、エビ中に、LiSAに、各種声優ユニットに、
こういうところからステージを奪わないとフェスおろか、サーキットイベントにも立てなくなっていて、かなり辛かろうなと思うことあるんですね。
しかも、そういう界隈もインディーズバンドのごとく、沢山の実力派が陽の目を浴びようと強烈な順番待ちしてると思います。


じゃあバンドやロックの強さはなんなのか、というのはまたそれだけで3つくらいブログができてしまうと思いますが、
メンバー全員が同じベクトルを向いたときに起こすパワーは、本当かどうかはともかく、どの音楽アーティストよりも強いと、僕は信じてます。(一旦ソロロックシンガーは置いといて)
その分、0から様々なところまでセルフプロデュースしないといけないし、妥協しちゃえば妥協したことがそのまま現れる音楽形態で、金にするのもまだまだ難しい。

だけどもたもたしてると、他の音楽アーティストにシェア取られるし、案外すんなりロックファンも受け入れちゃいます。
もちろん、各々の音楽形態に課題や難しさはありますが、バンドも負けじとキツイものだと改めて思いますね。



ちょっとブログの着地点が狂いましたが、このseeeeecunというアーティストも、邦ロック好きのあなたの足りないピースを埋める可能性があるでしょう。
ぜひ聴いてみてください。



それでは、この辺で。

ダンスワナビーダンス

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