邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

2022年の上半期「○○な曲」セレクト!

なんだかんだで2022年も折り返し。
いろんな人が「上半期ベストソング」をしていますが、僕は少し趣向を変えてお送りします。


上半期の

- 若き個性派部門
- ユニーク部門
- 小細工なし部門
- この持ち味やっぱ真似できねぇわ部門
- グッドメロディ部門

と5項目に分けて紹介します!
この計18曲はベスト群ではあるのですが、ランキングではないので(ゆえに半端な数字)、他では入らないようなインディーズアーティストの曲も入ったりしています。純粋なベストなら必ず入るだろう『ミックスナッツ』とか入れてないです。
なので復習と発掘も兼ねて聴いてみそ!

若き個性派部門

☆“チョコ“の歌詞選び美しすぎるメロディ!
anewhite『チョコレート・ハートレイト』

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チョコレートの甘美な側面と少し苦味や渋みのある側面、
あのチョコらしい色を想像させて、それが溶け出す温度感までを、
君を思う歌に変化させるその表現力に脱帽。
メロディも美しくて、Cメロのピアノが入ってくるタイミングまで完璧。
確かな透明感や清廉さがあるのに複雑な感情が入り乱れている白。アンミカでも形容し難い白をanewhiteは持っている。


不気味な虚しさが迫りくる新境地
NEE『月曜日の歌』

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今年のロックフェスにも欠かせないバンドになったNEE。
そんな活躍ぶりとは裏腹に、死にかけな感情を歌っていて驚いた。

何にもなかった日曜日の夕方、仕事の前日。
そんな退廃的な孤独に押し潰れそうな死んだ目をした人の目を無理やり覚まさせる力がある。
聴くと頭のネジが吹き飛びそうになるけど、
こんな寄り添い方ができるのはNEEだけ。


☆この緩急、只者じゃない10代バンド
Unpleasants『ほろり』
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静かなイントロ、淡々と畳み掛けるAメロ、高らかに歌い上げるBメロ、真っ直ぐ届けるサビ。
2番も同じようにいくかと思ったら少し変化を加えて、でもさらりと無駄なくラスサビに向かう。

こういう展開が元々好きっていうのもあるけど、
何度聴いても飽きないし、どの部分も全てキャッチーなそのバランス感覚は個性的。
そして何よりちゃんとタイトル通り「ほろり感」があるんですよね。


叫べ!自由じゃない全ての社会人
seeeeecun『Okay Monster』
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社会人生活で何かトラウマがある人は発狂注意!

サラリーマン生活を8年している彼だからこそ描けたリアルで忖度のない歌詞は、社会の歯車から抜け出せないストレスを見事に代弁。
ジャキジャキとしたギターロックがさらに拍車をかける。
きっと今日も社会の片隅でどうしようもない怪物が生まれてるけど、
僕はYOASOBIよりもseeeeecunのこの歌で怪物に手を差し伸べて人間に戻したい。

ユーモア部門

何でもありの感電ソング!
サカナクション『ショック!』
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インタビューとか読んでないけど、
これは令和の『マツケンサンバ』狙ったのかな?と思うほどの自由さが無条件に気分を上げさせる。
一度聴いたら忘れないサビと感電した山口さんの顔。
またこのビデオもライブ映像らしいね…
チームで遊び心を共有しているのは安心感がある。

山口さん休養に入ったけども、楽しくライブで踊っている姿が見れるまで待ってます!


☆藤井風に帰省しよう
藤井風『まつり』
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「今回、髭男とかKing Gnu入れませーんと言ってるわりに藤井風は入れるんかーい」
と思ったかもしれませんが、
この曲はもう何かと比較して紹介するのが無粋というか、
こういう枠で紹介したい曲なんですよね。
年間ベスト作る時も、あえて入れないでおこうかな…

もうこれは誰もが聴いてるとプライベートの状態に陥るというか、
リラックスの何段も上にある癒しの表現が必要。僕は「帰省」と表現しました。
きっと戻ってきた祭のシーズン、流れまくるんだろうなぁ。


☆終演までファンタジック
クジラ夜の街『あばよ大泥棒』
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わずか3分半くらいの曲で、この曲がエンドロールに流れる映画1本分の物語が想像できちゃう。
そういう曲を何曲も持っているけど、また今までとは違った物語性を感じた。
ピュアでウィットに富んだ物語なんだろうな。
どことなくコメディ感もあるサウンドなので、ユーモア部門に入れました。

またライブでは楽しい振り付けもあるし、
バンドとお客さんの関係性に置き換えると違った意味で楽しい。
こんな曲で終演できたら楽しいだろうな。

小細工なし部門

圧倒オルタナティブ
ルサンチマン『忘れそう』
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ボーカル北さんは20歳になる年だけど、
10代のうちにこんな曲を残していけるのは表現者として1つ理想的な気もする。

そして20代に持っていくのはギター1本。
どんだけカッコいいねん。
2:23からの展開が好きだから僕らはバンドを聴いている。


☆全国に轟かせた波動
Organic Call『ブルーアワー』
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地道という言葉でも片付けられないほどのライブで積み上げてきた力強さ。
その中で着実に上がってきた知名度
そして朝の情報番組のタイアップ。

その全てが重なって、放たれた最強にクリアな波動は、
日本に数多あるどんな夜明けの曲よりもいち早くあなたに届く。


☆今、必要だったカッコいいロックソング
[Alexandros]『Rock The World』
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実は最初は「なるほど、なるほどに」の部分とか少しダサいかなと思ったんだけど、
聴いていくうちにドロスの一貫したバンドプライドが伝わってきて、
コロナや取り巻くSNS環境に流されない、
今もなおロックで風穴を開ける責任と覚悟をより感じる曲として聴いています。

この持ち味やっぱ真似できねぇわ部門

☆要素盛り沢山のMVにも注目
KANA-BOON『メリーゴーランド』
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原点回帰が似合う1曲。
言葉のリズムとチョイスはノラずにいられない。
徐々に引き込まれていって、最初は「何十何百何千何億何十億」だったのが、
ラスサビ前では「何十何百何千何億何十億何百億何千億」と積み上がってるところとか、
シンプルだけどやっぱり聴いててアガるし、
そして万感の思いの「光れ」は重み深みがある。

MVはコインランドリー、謎の美女、シュールな世界観、バンドマンのダンス、オフショットありと、
もうバンドMVの要素全詰め。
多分『ないものねだり』のオマージュもあるしね。


TikTokバズも納得
SEKAI NO OWARI『Habit』
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元々ダークな世界観のセカオワは好み。
今回はより身近な存在へ挑発的な歌詞でシンパシー性も強い。
でも今までよりも肩の力が抜けている感じがあって、それがちょうどいい塩梅で幅広い世代に伝わりバズに繋がっていると考える。
MVのユニークなダンスもSaoriさんの息子の意見を取り入れているとか。
そこに深瀬さんの俳優の経験もプラスになって、あのダンスの完成度になっている気がする。Saoriさんは終始笑顔なのも良い塩梅だよね。

セカオワの強烈なバンドの世界観に父、母、そして俳優としての要素も加わって、安定し始めたら無敵ちゃうか。
その一歩を手始めにTikTokで見せつけただけ、という不気味さがちゃんと残っているのがセカオワ


衰え知らずのトルネード
凛として時雨『竜巻いて鮮脳』
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もう今の世の中では生まれない温度感とサディスティックなバンドの音。
ある意味禁止カード。
それを2022年も鮮度失わず残してくれて、
「ありがとーーーーーーーー!!!!!!」
と叫びたくなります。

ソロの活動も嬉しいんだけど、
この3人に定期的に八つ裂きにされないとあかんのです。

グッドメロディ部門

引き出しの多さを感じる初のドラマ主題歌
Ezoshika Gourmet Club『赤い』
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違うサビが何回も来るような展開。
その秘密は7パターン作ったサビメロのうち上位2つ使用しているからだと、
引用リツイートで教えてくれました。

恥じらい、笑いすぎて、惚れ合って。
様々な場面での頬の紅潮を鮮明に映像化させる秀逸な歌詞、歌い方、
そのどれもに似合う強固な華やかなメロディがやっぱりイイ。


☆遊津場、遂に女性アイドルに手を出す
日向坂46『ゴーフルと君』
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僕と同年代の邦ロック好きなら知っている人もいるでしょう、
高いテクニックが持ち味だったHaKUの元メンバーが作った不思議なメロディがキュートすぎる。

加えてこれは日向坂の中の3期生4人が歌っているんだけど、どうやらなかなか個性が強い。
上村さんは大喜利が得意だし、山口さんはラミレスが師匠らしいし、
高橋さんは身長が170あるし、森本さんはご飯とか美味しく食べそう。
そんなキャラクター性も相乗効果となり、
もちろんクセのある歌詞とメロディを歌い踊りこなす実力もあって、
僕は『キュン』よりキュンとしましたね。


シンプルに良いって、こういうことを言うんだろうな
TOMOO『酔ひもせす』
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恋の駆け引きのある歌詞と春迎えの暖かいメロディが最高にマッチ。
力強い英歌詞と和風な歌詞のバランスを見事に取るセンス。

あと個人的に見た目で騙されたところもあって、
曲も大人チックな雰囲気だけど、
もう少し可愛らしい歌声かと思ったら、
一本芯が通った歌声で、タフでグルーヴィさもあって、勝手にギャップにもやられた。
ジャンルに捉われない活躍が長く続きそうです。


真摯に鳴らす隙の無いバンドサウンド
Rudo『象る』

象る

象る

  • Rudo
  • ロック
  • ¥204

兵庫のインディーズバンドのMVにもなっていないEPの1曲を最後に。
既にこのメロディに体を預けたいと思わす完成度です。

聴いてるうちはまさに世界から切り取られ、
この歌と自分しか存在しないような気分になれる。
クールだけども、力強くメッセージは発信され、
つられるように演奏のボルテージも上がっていく。

等身大を感じられるメロディで最強のものが生まれるのがバンドの良いとこ。