邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

2020年上半期ベストソング10!

タイトルの通りです。

今年はいろいろあったんで決めない人も多いっぽいですが、
インディーズまで掘ってればあるある宝の山、だけでなくやっぱりこの曲すんげーな、売れてるバンドは一味違うなと思うことが相対的にいつも多いのです。
それを知るのも1つのディグるですね。


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そういう視点で語るブロガー、ライターは少ないので、このブログはいいブログです(ソウダソウダ)

なので一区切りということで決めちゃいました。早速いきまーす。


10位『お勉強しといてよ』ずっと真夜中でいいのに。


ずっと真夜中でいいのに。『お勉強しといてよ』MV(ZUTOMAYO - STUDY ME)


ACAねさんの脳内図書館を見せてもらえる曲。
その図書館はハリーポッターの映画に出てくるような入り組んでいて、沢山の本や情報に溢れ返っており、聴いてて自分の脳味噌がアタフタする。
脳に届く曲を書けるのが、やっぱりACAねさんは他のネット発の有象無象より生命的で異様だし、それを共有してるずとまよ。というチームも異常。まだまだ底が見えない。うおおおおお


9位『アナザー・ブルー』初恋モーテル


初恋モーテル『アナザー・ブルー』MV


東京の実力派インディーズバンドの新曲。
本人達も「生活の隙間風のように」と謳っているが、特徴的な歌声が本当に固定観念バリケードをすり抜けて届いてくる感覚がある。
そして特にこの曲は蒼い日々の感傷を歌った歌詞と、そこに感情記号(!とか?とか……とか)よりも言葉に強く感情を付け加えるサウンド融合のバランスがすごい。「あぁ、音楽に触れてるな」ってなる。

惜しくもROJACKは入賞となったが、サーキットイベントで名前を見る機会も増えてきてるバンド。
まずは彼女達と同年代の20代に聴いてもらえたい。お酒が進む。


8位『ハイライト』SUPER BEAVER


SUPER BEAVER 「ハイライト」 MV


インディーズから再メジャーという彼らにしか歩めない道のりや生きざまを、そのまま歌にしているからカッコいいに決まっている。

全てのものにリスペクトを込めるという、
きっと現代ではとても非効率な方法かもしれないけど、
だからこそ全てのロック好きにとって、若き恩師のような存在なんだよな。


7位『1997』リーガルリリ


リーガルリリー - 『1997』Music Video


「私は私の世界の実験台」

もうこの言葉を使えてる時点でおかしい。
たかはしほのか始め、3人が台の上で磔になって、なんなら常に死を身近に置いてる歌なのに、なんでこんなに口笛を吹くように軽やかに、かつ染み渡るように鳴らせるのか。

そのギリギリのようでギリギリに見せないのも、1つのロックである。


6位『きみはうつくし』片桐


片桐 - きみはうつくし (prod. yonkey)


あったけぇ…

聴いて見えてくる背景は間違いなく真っ暗な夜なのに、心に小さな灯火が。
今まで自分を守るために夜の暗い感情そのままに突き刺す、切り裂くように歌ってきた印象の片桐(Hakubi)さんが、今回は守りたかったものに優しく火をくべている姿が新しいし、本当が伝わってくる。

このくべてきた木々は間違いなくHakubiの今後の幹にもなるだろう。
早速TVタイアップ決まってたけど、来年はもうそんなもんじゃない。


5位『グッド・バイ』藍色イマージュ

eggs.mu


まだ誰も知らない宮城の新星。
そもそも宮城県外でライブをしてるかもあやしいインディーズバンド。

元々存在は知ってて、1月にEggsに配信されたこの曲を聴いたんだけど、
早く少年少女青春群像劇のアニメのエンディングテーマに使われないかな。
初夏でも、冬の終わりでも、SFでも、シリアスなテーマでも、
夜の背景にキャラクターとこの曲がバックに流れてるエンドロールがあるならば、そのアニメは名作になるよ。

夜や星や別れの歌のスタンダードなのかもしれないけど、結局それを難しく装飾したり、変に調味料かけるようなことはロックバンドのすることじゃないんだろうなってことと、誰にでもいつでも出せない無色の初期衝動。

4位『結』Saucy Dog


Saucy Dog「結」Music Video


ハッピーエンドってやっぱりいいな。
別に別の人の彼女になったり、香水の臭いがどうと歌う曲のどれも素晴らしいし、
そもそも彼らのブレイクのきっかけ『いつか』だってそういう曲だけど、
むしろそういう流行りと過去があるからこそ、「何がなんでも手を離さない。しかも傷付けないように優しく」というありきたりな失敗を繰り返して芽生えた気持ちを『結』の一文字に託し、彼らが積み上げたスリーピースとコーラスワークの見せ方で最後まで愛しく歌いきるのが、
やっと素朴で純粋な愛に現代の歌がたどり着いたみたいで、安心もする。

普通の幸せを素直に歌っているだけなんだけど、それが一番難しいのかも。

3位『BASEBALL BAT』SiM

www.youtube.com


まず普通に病みつきになるサウンド
作ったときSiMの4人も「明るすぎない?」と笑ったそうだが、
「KILL YOU」の合唱だけじゃない部分も口ずさみたくなる部分が多くて、
でも間違いなくそれはMAH節全開で、悪魔の配下にしっかり明記しちゃう。
軍団は確実に広まった。

そしてただの野蛮な曲かと思いきや、
実は世の中の普通や変わらないルールに押し殺されてしまいそうなマイナーな文化や個性にそっと寄り添う曲で、SiMの守りたいものもひしひしと伝わってくる……

が、とにかくライブだったらハジケ回るんだろうな(笑)


2位『Henceforth』Orangestar feat.IA


Henceforth / Orangestar feat.IA


なんだこのイカれ狂ってるほどの解放感は
夏ってこんな見方になれないし、味方のような存在じゃないはずなのにな。

この曲、もといOrangestarの魅力は,
極上の美しい景色への扉を開いているとともに、最後その身を投げ出すはあなた、と隙間を残してくれているところだ。
本来ボーカロイドの感情のない歌声の魅力って、そういうところをリスナーに残してるところだと思う。
ただ最近は分かりやすさも重視されすぎていて、ゲストボーカルで補填するのが普通になりつつある。
その風潮を一気に引き戻すだけのサウンドと歌詞と世界観を掛け合わした完成度を持っている。
ここは年代ならではの妄想だけど、人間の歌ってみたには越えさせねぇ原曲に、『アスノヨゾラ哨戒班』がアホほどコピーされて奮起したのなら嬉しいな。

その色は違えどナユタン星人もそこに負けないクオリティで、
この風潮と逆行していて意地を感じていてハマりそう。



そして、第1位は!





1位『感染源』感覚ピエロ


感覚ピエロ『感染源』 Official Music Video


感覚ピエロが今年の春をバッサリぶった切った1曲を1位にしました。

いや、むしろ1位になってしまった、というのが正しいのかも。

未知のウイルスだから、どれだけ長期戦になるかは分からなかったけれど、
でももうちょいマシな世の中になると思ってたのに、余計なことを沢山の人が沢山してしまって、日に日にこの曲のメッセージが深く強く意味を持つものにどんどんなっている。
ここに来てまた抉ってくる歌詞に感じる。

自分一人一人が「感染源」となる世の中というメッセージは、
完全DIYのライブ・発信で全国的に有名となった彼らならではの所感だとおもうし、その良い面、悪い面はめちゃくちゃ知っているだろう。

その中で思ったであろう「愛は勝つ」というシンプルな気持ちが世の中に蔓延してほしいし、
そうしてこの曲の役割が今年中に終えて、
ライブの1曲に落ち着くのも、ある意味素敵なんではないだろうか。
そんな曲今まであった?





あーとーがーきー


どうやらその人でしか書けない、説得力がない曲に惹かれる傾向が丸見えですね(笑)
それでありながらキャッチーなサウンドを解明、解説できたらいいんでしょうけどできません(笑)

良い言葉というのは、本来誰が言っても良い言葉だと思うんですが、
あまりにもソースが不明確で、偏見にまみれた言葉が蔓延していて、知らず知らずのうちにそういう本当の言葉を求めていたのかもしれません。

僕の上半期は2月に企画したり、AWAのオフィシャルライターに任命いただいたのはよかったのですが、
その後もあった楽しみな取り組みはどんどん先送りになってますし、
遊津場以外でも転職に動けなくなったり、幼なじみの結婚式が延期したりともどかしさも多かったです。
「やるしかねぇ!」という気持ちもあるのですが、なにぶん慌てるほど沼に足を取られ沈んでいくタイプなので、落ち着きながら、強いターボを作っていこうと思います!



それでは、この辺で。