とにかく刺激的な情報量が多い。
①「あぁ、未確認で準グランプリの高校生?バンドで、嘘?SXSW(アメリカのでっかいカルチャーのフェスティバル。過去にPerfumeや水曜日のカンパネラなどが出てる)にも決まってるの?ヤバイね」
②「それで女4人、男1人っていう編成なんだ。どれどれ……
でもみんな髪型一緒で、いやそのまま演奏始まったけど、どれもパワフルで誰がどこで何をやってんのか分かんないぞ!」
③「あ、ボーカルは女性ね。
いや、声もだけど、普通にめっちゃ可愛いやん。ちょっとジト目な感じとか、天然ものの可愛さあるやん。
歌詞は……言い回し独特だなぁ」
④「待て待て待て待て。どんどんどんどん化けの皮が剥がれていっとる。
女とか可愛いとかどうでもいい。
怖い怖い怖い怖い」
⑤「はぁ~~~…
………………他にどんな曲あるんかな」
☆☆☆☆☆☆☆
我ながら何書いとんねんと思うんですが、こういう感想を持つバンドです。
きっと⑥で思うことは「あの子達は今どうなってるんだ!?」と、気になってしょうがない症候群になるやつですね。
現に僕が今その状態。
もう山程書かれてますが、いわゆる「若き天才」で「オーラが他の若手バンドと違う」みたいなやつで、はい、正直言います、先取り損ねました。
もうそれは割愛しますけども。
ライブを見たことないので、否定されると参るんですが、MVやライブ動画、インタビューを見ても、心臓が跳び跳ねてるって感じがしました。
それが④で書いた"怖さ"の理由だと思いますが、それはグロテスクなほど生々しくて、なんならちょっと臭いです。そりゃそうだ臓器なんだもん。でも嗅ぎたい……見てみたい……あれ?これ、へんたい?
そんな躍動感と匂いを5人が5人それぞれの匂いで発しているという感想を持ちました。
だからこそ僕は、楽曲の良さとかはもちろん、それに加えて生の心臓がベチャベチャ跳び跳ねるという、「ステレオガール」という名のオカルト現象を、僕は見て、体感したくて仕方ないから、こんな妄想でもブログ書いちゃってるわけです。
僕はホラーとか苦手なんですけど、ステレオガールを聴いて、やっとホラー好きの気持ちが分かった気がする。(ステレオガールの音楽は好きです)
このバンドは多分、安っぽいホラーとは違って、もっと深層心理で身の毛がよだつような、本物のホラーを提供してくれる。素がキュートな分、なお。
あぁこういうのをホラー好きは求めてるんだね。ただのドMかと思ってた。
これもある意味、ライブを見たくなる「ライブバンド」の条件じゃないかと思います。熱さや音圧や上手さでは出せないやつ。
MVでも、そういうバンドで見せるキュートで凶悪な化け物姿も素だし、インタビューで見せる安寿さんのしどろもどろさや、宇佐美さん(chamicotさん?)の自由さとかも素だから、なんかいろんな感情を表情をあえて、ばらつかせてる感じがして、より生の姿を見てみたく思える。MV撮られた加藤マニさんの言うとおり「絵になる5人」なんでしょうね。
まとめ
「中毒性なサウンド」というバンドは出てくるんですが、存在自体に中毒性があるバンドっていうのは、そんな年に何組も出ないし、それが多くの人に響くバンドになると、何年かに1組と言っても問題ないです。
邦ロックだけでなく、洋楽のエッセンスも存分ある和洋折衷なスタイルとライブでの衝動性、あまり素性を感じさせないアーティスティックな雰囲気にSXSW(サウスバイサウスウエスト)にも抜擢されるのもあって、早くも世代とか、ロックとかにも括られない聴き手が本物感を得るバンドになってきています。
そういう先輩バンドのファンにありがちなのは、ちょっと盲信的な人。
「◯◯こそ本物」と信じて疑わなくなる人ですね。
そこの程度を間違えてる人は単純に……
ごめんなさい、面倒くさいです。
そもそもどのバンドもそうですが、ステレオガールを物差しに他のバンド比較するのには、特に向いてないと思います。
むりやり「~っぽい」を考えても、僕は奥田民生とかthe pillowsが出てきました。
そんな若手いないでしょ。
無意味です。
でもわざわざ孤高な存在にする必要もないんです。
あとは単純にいろんなバンドを紹介する側からしても、盲信的になられたら他を聴いてもらえないので困ります(笑)
「いやステレオガール聴いてるんで結構です」とか言われたら、今ちゃんと対バンをこなし、Holiday!Recordとかのイベントにも出る彼等に失礼な気もする。
でももちろん、「どうせ曲を聴くなら、そういう圧倒的なセンスにどっぷり浸かりたい!」っていう気持ちも分かります。
絶対1曲1曲の表情が違うし、ワンマンが見たい。音楽は刺激が強いからこそ、精神安定剤になることがあるから。
そういうそんなこんなを込めて、
"ステレオガールは用法・用量を守って、正しくお聴きください"
何よりまだすごい若いですからね。
早熟の天才、なんかで終わらないよう、ファンが縛り付けるようなバンドになりませんように。
それでは、この辺で。