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BURNOUT SYNDROMESの戦いはこれからだ!


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『君をアンインストールできるなら』大好きお兄さんこと遊津場です。
普段はガッツリ紹介するにしても超先取りのアーティストに限るようにしてるんですけど、やっぱりNEWアルバム『TOKYO』で好きが更新されたんで、またまた感想を置いていきたいと思います。

とはいえ正解というか、公式のインスタにはボーカル熊谷さんのみっちりとした曲解説だったり、一枚絵での紹介をされてるので、そっちを先を見てほしい気が強いです。僕もリアルタイムで見てたんで、それを受けてという感じになります。

今作の聴きどころ

今回のアルバムはインディーズ味が強いとよく言われてます。尖ってるとか、好きなことを詰め込んでるという意味合いで使われてるんだと思います。
アニメタイアップが5曲やチコハニのCHiCOとのデュエット曲もあるのに、そう思わせるのは、ひとえに邪教・拝金教』と『模範囚』のインパクだと思います。個人的にはそこに『Hikousen』から少し初期の代表曲『墜落/上昇』の匂いも感じたのも、それを加速させてると感じました。

話前後するんですけど、このアルバムってホントに1つ1つの曲の主人公の顔がハッキリしてるんですよね。
『2020年渋谷の旅』という、コロナ前の過去の世界を、コロナ禍という今のロケットに乗ってしまった僕らがコクピットから見てるような歌から始まるんですけど、2曲目の『Good Morning World!』からの人間模様もずっとコクピットから見てるような感覚がありました。
そのある意味上映される人間模様はいろんな楽しみ方ができるようになってると思います。僕は3味ほど見つけました。
そしてその上映されてる物語の質が高いのは、前作アルバムの『明星』が世界旅行のようなコンセプトのアルバムがあったのも大きいでしょう。『明星』の時は異世界の出来事を3人のユーモアで表現する感じだったんですけど、今作はそれを加工なく、時に辛辣に現代のリアルな生活に落としこんでます。
だから『邪教・拝金教』の神はしっかり時にニュースで見る金に盲目な悪い経営者だったし、『世界は愛で満ちている』はしっかり僕の同級生の結婚式の風景を思い出させました。

ただそういった現代のあらゆる生活の風景を見せてアルバムも終盤だというタイミングで、完全に熊谷さん自身のことを描いた『模範囚』が始まるんですよね。曲中に出てくる顔も完全に熊谷さんです。コクピットから今まであらゆる生活の、人生の縮図を覗いてたのに次の画面は「え、熊谷さん」っていう。
そんでもう本当に誰にも見られてないからこそ言える死生観をぶちまける。あとはバンドマンとして矜持も感じましたね。「できることなら今この世で一番強いメッセージを発したい」という。
あらゆる芸術分野や学問に敬意を感じる熊谷さんだから常に自分が一番とは考えないかもしれないけれど、こういう夜の孤独に苛まれる時に生まれるエモーションを最も衝動的・最高純度で形にできるのはやっぱりバンドなんですよね。僕も活動柄、多くのそういう若手バンドの曲も聴いてますけど、積み重ねたものを多さと、そしてメジャーの舞台でもそれを誰にも触れさせなかったのに、今回少し触れられた感覚がありました。
これをどう感じるかは、ある意味バンド側も知ったこっちゃないのかなと思うので、各々で噛み締めてほしいと思えますね。共感が大切なこの世界でね。

そして愛と正義

モチーフに少しコロナはあるし、そして『模範囚』もあったから少し深い味が残る中、アルバムの最後を飾るのが『Wake Up H×ERO!』。
なんかもう一気に全て回収しちゃいます。「結局お前が一番強いんかーい!」みたいな笑。コメディ色の強いアニメ主題歌だったのも良い方向に作用してる。松岡禎丞の声になんだかすごく安心した。
ここまで少年心を揺さぶられる熱血ヒーローソングがいつの間にかTOKYOに、世の中にとってもすごく貴重になってた気がする。この宇宙船を乗りこなして、会えなくなってる人のもとに無事帰還したいと思った。

あらゆる登場人物が出てきた。
少年少女、理性を保つ保てない大人、クリエイター…でも最後はヒーローという終わり方はすごく綺麗だ。
恐らく曲順にめちゃくちゃ悩んだろうけど、この選択肢の多さこそBURNOUT SYNDROMESだ。

そしてこの『TOKYO』は10代の大阪の頃から、今3人のいる現在地の東京までの繋がりの景色も感じた。
コロナでもちろん強調もされた部分もあれど、元々この世にあったあらゆるシーンのそれぞれの愛が曲として形になってると思う。ひょっとしたらそれは僕も全く違う畑だけど、同じ92年生まれだから余計思うのかも。でもそれが『WORLD』とか『JAPAN』ではなく『TOKYO』というサイズじゃないとダメな理由の1つにも思った。

そういう過去の風景も通ってるからインディーズ味も感じたのかな。そしてヒーローソングで「俺たちの戦いはこれからだ!」で終わった彼ら。
これフィクションなら悪いフラグだけど、このアルバムがあるのは現実だから間違いなく長編ドキュメントになる。未来が本当に楽しみだ。