邦ロック最前線情報局

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遊津場pre.2022年先取りベストアーティスト年間大賞!






眠い日は18時まで眠い。
遊津場です。

今年も毎月5~8組ほどのアーティストを新規に紹介してきました。
もう5年間!こんなことやってるのですが、
まぁそろそろ「あの時先取ったバンドが!」、逆に「先取れなかった・見送ったバンドが!」大型ロックフェスの若手抜擢ステージに出始めてます。
ある意味、この活動の答え合わせをしているように感じた年ですね。
楽曲が圧倒的なバンド、
ライブ見ないと分からないバンド、
SNSなどバンド運営が上手いバンド、
言える言えないブレイクポイントは沢山です。

それゆえに蓄えてきたものはそれなりにできたきたと思いますし、
だからこそ逆に「それは早すぎてアカン!」と思うインディーズ紹介を見る場面も増えてきた気もしてます。
紹介アカウントとはいえ「先取りたい!」というエゴが強すぎたら、やっぱりダメです(というか消えます、そんなアカウント)。

一度サーキットイベント紹介の時にも書かせていただいたんですが、魅力的かつ、耐久性のあるアーティストの音楽を今後も紹介していければなと思いますので、よろしくお願いします。

そういう視点の中、今年紹介させていただいた69組は、どれも素晴らしいアーティストばかりです!
どのアーティストもフラットに応援し続けるよう進化できればと考えてますが、
その中でも、選りすぐりの月間大賞12組から、年間大賞を発表していきます!
コンテストでもなんでもないけど、この12組全組にとって、本気できっかけのきっかけのきっかけになることを願って!

まずは全体のまとめ

これは本当に全然狙ってないんですが、東京からは1組だけになりました。
地方が盛り上がった年かと言われれば、むしろ大型フェスやサーキットイベントが本来の姿に戻り、都市部のほうが盛り上がってたイメージだったんですけど。
都市部のインディーズシーンは、新しいの見つけるというより、コロナ禍で出てきた若いバンドを存分にラストさせて、真価を見る年だったのかもね。

その中で個人的には関西のライブシーンが新たな時代に突入、かつ伸びてくるスピードの早さやバラエティの豊かさが増したと感じました。
Uncurtainのようなクリエイティブだけど、しっかりライトなリスナーにも届ける大阪のバンドは新しかったし、からあげ弁当の注目の上がり方も、今まであまり関西では見られなかった気がします。コンテスト文化や粘っこい活躍をするバンドが多い気質の中で、その狭間の20才前後から、独自のスタンスで、ライブも大切にしながらキテいると思います。
ただもちろん、ここで生きてるずのような、「いつ休んでるねん」というライブ活動も見事です。カライドスコープも少しずつ関西のライブバンド特有のパワフルさが出てきて、いつの間にか同世代のバンドから抜けている存在になるでしょう。というか既にカミコベにも出ました。

そして何と石川から2組。
アダムとイヴは、地元先輩のプッシュプルポットが切り開いた流れにしっかり乗れるだけの実力があったのかなと。実際に金沢のライブシーンは魅力的なギターロックバンドが増えています。その中でも、アダムとイヴはここから全国的な活躍に期待できるパワーの持ち主。
ただ発狂ボーイズはその流れとも違って、楽曲の力でじわじわと浸透しているイメージ。両組とも、突然のバズの可能性を秘めてますね。

その他地方からは、岡山のthe Hz。岡山バンドの進出は増えており、彼らもツアーは実施済み。でもUNFAIR RULEや炙りなタウンとは全然違うタイプなので驚いてください。
静岡からのシヴァネコは、もうあと少しのきっかけで、ドンといくレベルまでキテいる完成度です。Cody・Lee(李)との対バンは見えた。海外からのコメント多い。
秋田の高校生バンド、月刊少年アイロニーも、関東の高校生ライブシーンしか知らなかったら、もったいないレベルの彼女達に驚くはず。フレーズが刺さるし美しい。
でももちろん関東の高校生ライブシーンは年々熱気が増していて、その中で一番注目したのが千葉のヒノきのぼうとおナベのふたでした。

そして東京からはちゃくら。ただ今までのEggsや歌ってみた系動画の流れがあってとかじゃなく、本当に突然初MVから注目浴びるというパターン。このパターン、今年の秋から突然増え始めてる気がします。ただその突然さに負けないタフさが彼女達にはありそうです。
ネットシーンももちろん、沢山のアーティストが出てきて、iwatyは心掴まれました。最近活動してないけど…

さぁ、こういうのを踏まえ!
今年は準グランプリ、グランプリを発表していきます!


準グランプリ!


準グランプリは…






ヒノきのぼうとおナベのふた!


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千葉の高校生ロックバンドです。
映像から見ても伝わる只者じゃなささ。オーラはいずれ出てくる。

どこかファンタジー要素がありながらも、鮮烈にリアルが迫ってくる。その中でも『ザオリク』はとてもとても強く感じた気持ちを、バンドミュージックに負けじと落とし込めた、決して風化しない曲です。
何度もリピートして聴いたし、メジャーも含む全ての楽曲含めても口ずさむ回数がトップでした。
ドラクエはやらないんで調べたんですけど、効果を知れば、歌詞が刺さります。

まだ音源もないし、もちろん将来の選択肢はたくさんある年齢だし、僕が何かを保証することもできませんが、もし続けていくのであれば、ここから様々な素晴らしいクリエイターやバンドがほっとかないと思います。
1つ1つを積み上げる中で良き出会いに恵まれれば、それこそカバーしているNEEのように創造主的なバンドになるでしょう!



グランプリ!


今年の先取りアーティスト大賞は……




発狂ボーイズ!



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今年の大賞は発狂ボーイズです!
とにかく楽曲が強かった。個人的にそういう印象です!やー!

感情が一周回って辿り着いたような歌詞は、寄り道もした分、情景描写が強くなっている。
それを少し気怠くも取り憑かれたような歌声で。でも演奏はとても楽しそうにやっている(はっきょのボーイズ!)、
何層もあるこのバンドの個性に絡め取られました。

バンドをする中で、聴く中で大切な”純朴なひねくれさ”が詰まっているようで、今音楽シーンに広まっている共感性とは違った、忘れていた奥底の共感が疼きました。ともかく00年代〜10年代前半のギターロックが好きな人は必聴で。

このバンドの出す文章を読んでいると、ここから何本もツアーも重ねて、フェスもめっちゃ目指して…という風には思いませんでしたが、
誰かがどこかのタイミングで、一時的にでも手離してしまう普通や平凡を、発狂ボーイズを聴くことで取り戻せて、明日もとりあえず生きていけるんじゃないかな。
その輪がいつの間にか、ものすごく広まったらいいなと思っています。

いろんなシーズンに合う曲があります。
この冬はこの曲で。
これからもいろんな曲を作ってほしいです!


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まーとーめー

というわけで、今年の先取りをまとめました!
でも本当に全組おすすめしたい。実際、何件か外部寄稿もしてますが、その時には別のアーティストの名前も挙げたりしてます。
他にも今や飛ぶ鳥落とす勢いのサバシスターなんかも先取りましたからね。
上記12組+αの関連プレイリストも作るので、チェックいただければ幸いです。

今年はライブハウスで2月に主催企画、8月にも共催企画させていただきました。ありがとうOSAKA MUSE
来年も2月に東京で企画しますし、そういった場を複数回考えています。
とはいえ根はド田舎地方勢かつ部活ガチ勢。ライブだけではない独自の角度の紹介も引き続き頑張り、アーティストに貢献できればと思います。

また来年も良い出会いがありますように!
今年も良い先取りでした!