3月30日に大阪のバンド・メランコリーメランコリー主催のイベント「邦楽のすゝめ」がOSAKA MUSEにて開催されます。
「帰ってきた邦ロック」を掲げて活動するメランコリーメランコリーが選んだ脂の乗った7組が集結。この春休みの時期に昼からみっちり邦ロックを楽しめるイベントだ。
今回、主催のメランコリーメランコリーにイベントと出演者、そして邦楽に対する思いを聞いたインタビューを敢行!メラメラファンはもちろん、邦楽好きな全ての人読み進めていってください!
イベントや「邦楽」への思い
遊津場(以下、津):3月30日「邦楽のすゝめ」の企画に向けて、主催のメランコリーメランコリーが語るということで、当日までにお客さん、出演者のモチベーションが上がるものになれば良いなと思います!
ではこのイベントへの思いや今回の開催の経緯について説明お願いします。
杉本佳寿麿(Bass。以下、杉):
はい。元々コロナ前までは毎年やっていまして。僕たちは「帰ってきた邦ロック」というのを掲げて活動していますので、ライブハウスというかバンドとして会場でキチンとお客さんの前で演るという機会を作りたいなという思いと、僕たちが思う「邦楽」をやっているバンドと1年にいっぺんやりたいね!って言って始まったのが「邦楽のすゝめ」です。
ただコロナの影響もありまして2年くらい止まってたんですけど、今年やっと久々に開催できる状況になったのと、そしてこの2年、我々も『cut』や『MOH−KOU』という曲を作ってきた中で「邦楽とはなんぞや⁉︎」とはなったんですが、根底には僕たちは2000年代のバンドの魂を受け継いでいると勝手に思っています。そんな僕たちがイメージするバンドを集めて、メランコリーメランコリーの総復習となるようなイベントとなっております。
津:メンツには非常にこだわっていて、僕も面白いなと思います。この2年で出始めて新星もいれば、メランコリーメランコリーと同年代のバンドもいて、とにかく純粋にグッドメロディなバンドを集めましたというのが伝わりますし、でもちゃんとリスナーも置いてけぼりにしないメンツが揃っているなと感じます。
このタイトルも「学問のすゝめ」という日本の文学作品から取っていますけど、ここにも由来だったりするものはありますか?
杉:タイトルって僕が決めたっけ?
藤原すもも(Vocal&Guiter。以下、藤):かずま。
杉:このタイトルは降りてきました。実は結構曲とかも曲名が決まって、そこから作るところがあります。なので意味は後から付いてきました。この語感やタイトルからイベントを作っていく中で、こういうイベントになったなという感じです。
津:なるほど。では先ほど根底には2000年代のロックがあると仰いましたけど、お三方はどういった音楽を聴いてこられました?
藤:どうやろ。わっきーはちょっと違うんかな?
杉:そんなこともないやろ。ワンオク育ちやろ?
脇田彩加(Drum&Chorus。以下、脇):アジカンやBUMPやRADは全然通ってなくて、ワンオクに入って。でもそれまででもflumpoolとかは聴いてました。
藤:私たちよりはちょっと新しめの邦ロック聴いてるよね。
津:藤原さんはそれよりもう少し前の、2000年代初めから中盤の辺りになるんですかね?
藤:そうですね。私の小学生くらいの時に流行った音楽が好きで、それがBUMPやアジカンの出始めた時なんですけど、そこで小学生の時に音楽をしたいなと思って、中高でもBUMP、アジカン、RADを聴いてきて、今もそれを引きずっているという感じですね。
津:今の本当25歳以上くらいの世代が中高時代に聴いてきたバンド達。今の学生からするとベテランと見られるバンドの、ギラギラしていた時期のあの音楽、ということですね。
杉:バンドとしてはこの時期の邦ロックになるんですけど、また個々人となると、すももはB'zが根底にもあったりしますし、僕はポップスもめちゃめちゃ聴いてきました。
津:バンドマンの中でも洋楽を通ってきたなんて人もいると思うんですけど、洋楽と邦楽の違いだったり、逆に洋楽は何か通ってきたりしました?
藤:私は全く通ってない。
杉:通ってないんちゃうかな…
脇:私はバンドでいうとマルーン5とか好きですね。大学の時はコピバンもよくやってたんで、SUM41とかFALL OUT BOYとか聴いてました。
津:こんなこと聞いといて僕も通ってない…。でもだからこそ分かる邦楽の良さとかってなんだと思いますか?
杉:すももさんお願いします。
藤:そうですね…邦楽でも邦ロックでもあるんですけど、英語の歌詞を使う曲あるじゃないですか。個人的にあまりそれが好きじゃなくて、やっぱり日本語で歌詞を書いているというのが好きなんですよね。それが大前提にあって、あと違いでいうと邦楽は洋楽よりコードが多いと思うんですよ。なので歌メロ以外の部分でもメロディ感を感じられるというのが邦楽の良さかなと思います。
そしてそういうメロディの中には懐かしさとか、昔を思い出せたり、情景が浮かびやすいのも良さだと思っていて、私もよくMCで言ったりするんですけど、自分の音楽が一人一人のバッグミュージックになりたいというふうに思っていて、人生が映画だとしてその人自身が主人公だとするなら、その時に鳴っている音楽になってほしいし、一人一人を主人公にしたいという思いに合っていて、演出してくれるのは邦ロックだと思っています。切なかったり、楽しかったりする時に後ろで鳴っていてほしいですね。
津:日本語にしかない手触りってありますもんね。そういうのは僕も好きです。
そんなメランコリーメランコリーの世界観を出す企画になると思うんですけど、共演は多種多様の7組!メランコリーメランコリーに選ばれた多くの邦楽がどんな色になるか楽しみですね。
杉:本当に良いのが揃いましたし、各バンドから愛も感じます!ゆえにタイテ決めるのも大変でした。
藤:もうクジで決めてもらえりゃよかったやん 笑
杉:そういうわけにもいかんやろ…
出演者に対して
Hello Hello
メランコリーメランコリーとしては初めましてなんですよ。僕が個人的にバンドの話をさせてもらったりしてて、メンバーに見てもらいたいバンドの1つとして選んだところが大きいですね。
僕の中で今、関西の音楽シーンの中で邦ロックをしっかりやっているバンドなのは間違いないというところがあって、まさしく邦楽・邦ロックというところで選びました。
ハイトーンボイスも低い声も出て、喉に2人住んでるって言われてますからね!
あとお酒飲むの下手です。褒めています。(杉本)
MokeraMokera
MokeraMokeraは活休しちゃってるんですけど、活休前は一緒にツアー周ったりとか、企画も一緒にやったり、互いに呼び合っている、一番関わりが深い単純に仲が良いバンドです。
ただ同時に私がアマチュアで見てきたバンドの中で、いろんなことを加味して一番良い音楽をしていると思っているバンドでもあります。
で、活休するってなってからも、自分達がイベントでブッキングできる場面では常に候補に上がって、ダメ元で何年も声もかけ続けてました。そして今回やっとタイミングが合って叶いました。
でもモケラ決まって嬉しかったんですけど、この日が終わるとまた終わるじゃないですか。だから「またモケラ見られへんくなる」という悲しい気持ちもあって。3月30日に見たいし見たくないしみたいな。なのでこのライブをきっかけに「やっぱライブって楽しいなぁ」と思ってもらって、「ライブまたやろか」みたいな風になるのが希望です 笑。(藤原)
津:これほぼラブレターですけど大丈夫ですか?
藤:いつも言ってるんで大丈夫です!
津:一度ライブ見ましたけど良かったです!
藤:ほんまに解散するんやったら「楽曲の権利くれ!」って言ってます 笑。
ayatori
ayatoriはギターのリフがめっちゃ好きな曲があります!(脇田)
ayatoriは、特に藤原とは長い付き合いで、昔からストイックに音楽・バンドをしていて尊敬する一人です。
前身バンドからグッドソングを作ってるんですが、なかなか外に発信するのが下手で…
だから代わりに僕らが言いたいわけですよ。ayatoriいいでしょ?って。対バンにもお客さんにも。(杉本)
Aily LULU
このバンドも呼んだのはHello Helloと似ているところがあって、知っているバンドだけやってもつまらないなと思っているので、メランコリーメランコリーとして新しい出会いの1つ、尚且つ僕の思う「邦ロック魂」を持っているとバンドだと思います。個々に訴えかける力というか。生半可な気持ちで対バンできないから、初めましてが邦楽のすゝめで良かったです。
今回初めましてですが、これからも一緒にやっていきたいなと思って呼ばしていただきました。うちのメンバーと出会うのが、今から楽しみです。(杉本)
Arakezuri
このブッキングを決める際に出てほしいバンドの名前として、すぐ出てきたバンドです。
対バンはまだ1回か2回しかないですけど、めちゃくちゃ熱いバンドというのが第一印象で、やってる音楽のジャンルはそんなに近いわけではないんですけど、鳴らす音楽に対する思いとか、カッコいいライブでしてるなというところで出てほしいと思いました。(藤原)
津:いわゆるライブバンドって聞くと、想像するのはArakezuriみたいなタイプですよね。
藤:もう名前から出てますね。
AIRCRAFT
今回のイベントはこの2年の総復習ですので、特にこの1年のAIRCRAFTとayatori、あと今回は直近にレコ発もあって呼べなかったんですがPatrick&Patriciaは、一緒にやってきた仲間として呼ばんわけにはいきません。僕たちが気合入れている日に呼ばなかったら「あの日々はなんやったんや」ってなるんで、候補から外れるわけがなかったというところですね。
ボーカルの翔理には何度も言われているんですが、AIRCRAFTにバンド活動を教えてくれたのはメランコリーメランコリーだと。一緒の企画したのが、今のバンド活動にすごく役立っていると。
運良く僕らがAIRCRAFTの始まったばかりに出会っただけで、誰だって好きになるバンドなんですよ。良いバンドだから一緒に企画して、感謝したいのはこっちの方です。
「JET.G.P」も「邦楽のすゝめ」も力を貸してくれてありがとう。(杉本)
知る権利
知る権利は関東の方でライブをする時にサポートをずっとやってもらってました。それでまず関わりがあって、対バンもしたいよねって話もしてたんですけど、なかなか大阪と福島というところでタイミングも合わず、もう自分達の企画に呼んじゃおう!となった感じですね。(藤原)
杉:再改名する時の発表があまりにもカッコ良すぎて痺れてしまいました。
津:あの動画、時々見返したくなりますよね。
杉:再改名の動画に影響を受けて、僕が「ゲリラリリースしたい!」ってわがまま言ったんですよ。そのせいで予定になかった『悪魔』を急遽リリースすることになり、ゲリラリリースにこだわったせいで盤が当日の開場10分前まで届かないという緊急事態になりました。
知る権利がかっこいいことするせいです!
当日の意気込み!
藤:「邦楽のすゝめ」はメランコリーメランコリーにとって、発起した時から毎年やっていきたいねって言ってたイベントなんですけど、コロナでできない時期ができてしまって、ようやく今年復活させることができたイベントなので、メンツもかなり多めになってますし、自分達の「これが今のインディーズの邦楽シーンだ」と言えるバンドを集められたと思うので、純粋に音楽が好き、邦楽が好き、邦ロックが好きという人はどのバンドを見ても楽しめる部分があると思うので、ぜひ期待してやって来てほしい1日です!
津:この2年はいろいろありすぎて、解散するバンドも多い中、それでもタフに続けて進化を遂げたバンドや、この中でも出てきた新星もいると思うので、この2年間の詰まった思いをぶつけて、新たなスタートの日になりそうですね!
藤:そしてメランコリーメランコリーも今が一番ライブがカッコいいと思っているので、生で味わいに来てほしいなって思います!
あとがき
僕も実は2018年の「邦楽のすゝめ」に普通にお客さんとして行ったので、今回こういう関わり方できて嬉しいです。
色濃くもジャンルレスな邦楽・邦ロックの自由なところを感じる日です。春休みの学生や社会人は有給使っちゃおう!(年度末だから消費してる人もいますやろ)
OSAKA MUSEに春の陽気と邦楽の音が充満するこの日をぜひ!
ちなみに
メンバーの思う邦楽の「名盤」薦めて!
※このタイトルにちなんで、そして僕は音楽紹介アカウントということで聞いてみました〜
杉:RADWIMPS『絶体絶命』…常に最先端をいくバンド。このバンドを知れば音楽シーンを知れる。その中でも一番よく聴いたアルバム。
脇:ONE OK ROCK『Nicheシンドローム』…一番「音楽やりたい!」と思っていた大学生の最初の時期に一番よく聴いていたアルバム。自分の中の初期衝動と合わさり、バンドに触れたきっかけ。バンドする前はうるさく思ってたけど、自分がするようになってカッコいいと思ったのを覚えてます。対バンライブでも一番デカく叩くというのを思ってます。
藤:B'z『B'z The Best"Treasure"』『B'z The Best"Pleasure"』…小さい頃から両親の影響でB'zは結構聴いてて、音楽に対して物心ついてから初めて聴き出したのがこのアルバムで音楽にハマり出しました。曲作りする時、私転調するのが好きなんですけど、それはB'zからきてます。お二人とも音楽に対してとてもストイックで、その姿勢にも憧れ・尊敬があります。
こちらもぜひ?