邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

正体不明のアーティスト増えたね

なのでそこから気になった3組に絞ってだらだらと書きます。

Pii

MVもなく突如発表した1曲が、各地のラジオでパワープッシュとなり、各種メディアのプレイリストを席巻し、トップの中のトップライターがオススメして、知見者が皆反応し、満を持して世界観たっぷりのMVを発表し13万再生越え。

ここまで素性は一切不明。顔出しもなし。
また楽曲もこのミステリアスな雰囲気にピッタリなんだ。子供のようなピュアさも、大人のような達観さもあって、脳内構造が常人のそれじゃない「シンカヨウキョク」。かも。1曲しかないので分かんない。

でも業界の「何としてもこの才能を枯らすな」という気合いと、地道に活動しているアーティストの「やんなっちゃうよ」のため息の全てを集めている、まさにこの時代が生んだアーティスト。いやPiiも過去は苦労してるよ。なのかは分からん。どっちでもいい。


もちろん次は気になっている。
でもスタートダッシュでここまで世界観を完成させてるのだから、前例のない予想してない方向の未来を期待してもいいよね?


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こはならむ


ライブがなくなりネットの中でしか確認できなくなり、より「歌声」の重要性が増してる気がする昨今。
そこでたまたま聴いて一番耳に残ったのが彼女。

「泣き叫ぶよう、ではなく泣いてる」な歌声。
1曲のポイントとなるところに「泣き」の歌声を入れるのはよく聴くけど、それを果敢に入れまくるストイックさ。
というかそれしかできない!と覚悟を決めた感じ。
歌ってみた動画も「泣きながら」とか「感情を沢山込めて」とか先に書いてる。

何よりオリジナルもカバーも曲の中の「僕・私」の健気さや勇気さが加速してくる。
歌声だけじゃない部分でもストーリーに入り込むセンスを感じます。
『ごめんなんか聞きたくなかった』も最近の流行感MAXなタイトルだし、最後の単語の畳み掛けはTHEエモの手法だけど、あのHoneyWorksとのコラボと堂々と渡り合う。

作詞作曲も自分でしてるし、少し前まで社会人もしていたそうだし、
匿名性は強いけど、またちょっと違ったストーリー性を共有できそうなSSW。


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悒うつぼ


朴訥なキャラクターが爪弾く音楽は、
陽が当たらず迷子になった言葉達や感情達に楽器を与え、オーケストラとなって表現してくれます。

でもその言葉達は高価で絢爛な楽器など持ち合わせていません。思い思いにボロボロに使い古した楽器だったり、なんならフライパンや小石や水滴で音を鳴らしているんじゃないかと。
そんな生活音にも似たサウンドと言葉、そして控えめなんだけど寄り添ってくれる優しい無二の歌声が、どうしようもなく毎日陰の部分に落ちてしまう僕らを助けてくれます。

独特な言語感覚で指揮を執るその曲に没入すると、まるで異世界にワープした気分になる。
でも歌っているのは目の前や明日に広がる等身大の現実について。
だから癒されるし、明日も頑張ろう、頑張んなくても生きようとなります。

彼に関してはぶっちゃけ趣向に刺さってます。
こういう出会いがあるから、音楽は幅広くて面白い。


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まとめ

日本は自分の経験や物語性を重視する考えがあり、
それが正体不明だったり、ネット発のアーティストへのヘイトに繋がることもあります。

ただこういう時に思いたいのは、あいみょんが言ってた「下積みとは時間ではなく密度」。
あいみょんは赤裸々に過去を出してるタイプだけど、それでも年齢だけで疎まれることも多かったそうな。
人の苦労を測る物差しは存在しません。

そこをしっかり思っとかないと、美味しいところだけ取って、すぐ見放す悪い業界人と同じになっちゃいます。
情報だけが先行していく社会でフラットに様々なアーティストに関わっていきましょう。

それでは、この辺で。