邦ロック最前線情報局

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遊津場pre.2020年ベスト先取りアーティスト年間大賞!

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今年は73組紹介させていただきました。
というか、勝手に。
アーティスト側からしたら、いきなり引用RTでなんか文添えられて発信されてるんだよね…
なんで仲良くしてくれる方多いんだろ…
ありがたみしかない。

さすがに4年も続けていると、いろいろ状況がコロナ抜きでも変わってます。
そもそもTiktokとかなかったし、NAVERまとめが無くなったり。紹介アカウントもかなり個性の強いものが増えていると思います。
そんな中でも変わらず堅実にアカウントが続けられるのは、ひとえに僕が変態隠キャ、じゃなくて皆様のおかげです!常にアップデートしながらディグるモチベーションとなっています!

そんな中でも紹介した73組は既に解散など選択された組もいますが、しっかり今年も厳選してきました。
その全組を応援しますが、その中でも選りすぐりの月間大賞12組から、今年の先取りインディーズシーンが分かればと思いますので、どうぞこのセレモニーを楽しんでいただくと幸いです!!



全体の統括

元々は昨年からの流れで10代、高校生バンドの流れがアツいと思っていた今年。
関東、北海道の10代ブームが昨年末のヤユヨのブレイクにより関西にもやってきたか、というところでした。
しかしコロナ禍により、そもそもの学生生活自体が制限され、業界も注目していたであろうサーキットや大会がどんどん延期や中止に。秋頃からオンラインでの開催で有望株な10代バンドは出てきたけど、取り上げる数はどうしても少なくなりました。
未確認フェスティバルもなかったしね(元々2020年やらない説もあったけど)。

そういう面もあってか、地方で輝く実力派・期待のバンドをよりピックアップした年になりました。
普通は東京が中心になる中で、北海道、長野、広島、兵庫の神戸でなく伊丹、福岡、宮城、三重、愛知とこんなに様々な場所を選ぶ年はもうないでしょう。
「コロナによってある意味条件がフラットになった」というのは時折聞く言葉でした。
ただYouTube広告の一般化によってMVの再生回数が判断の基準から少し下がったのもあり、
しっかりメロディとかを聴いていかなきゃという思いで開拓していました。

なのでEMIRI00's ClubCandid momentはネットでの再生回数はそこまでかもしれませんが、
サウンド得も言われぬ迫力や美しさがあって、
着実にライブが増えているのはそういうところなんだろうなと感じてます。
高校生なのでライブ本数はそこまでですが、
脳内狂騒も今までの高校生バンドとは違った色を持っています。
あるくとーーふの攻撃的POPも日々好きになる。

またそれぞれの地方の特色も少し感じた気がします。
Euphoric Albumのあの日本人離れの存在感は同郷のFAITHの要素も感じたし、
でかくてまるい。の雪解けのような歌声とまっすぐなメロディが北海道であったときの納得感、
Last Ladyの色気も神サイやマルシィなどを輩出した福岡の系譜もありそう。
The Moment I Decideの三重、というか中部地方って重いサウンドが多いイメージがあるのでハードコアと聞いてそうかと。
ただこの4組はそこに大前提としてかなりのオリジナリティーがあるからこそ、
僕がネットや大阪のタワレコで発見するに至ったんだと思います。特にTMIDはハードとポップの振り幅は大きい。

もちろん東京でも絶対数は少なくなったサーキットライブや企画ライブにも多く呼ばれているminoriの今後は楽しみで、
ハイペースで楽曲を発表しながら大阪でのライブでも爪跡を残した広島のbokula.がどんな熱量を持っているかはとても気になる。
ちょっとそういう熱量とは別の激しさのあるmoreruの今後もどうなるのか。


どれも期待値が高く、何組も全国的なフェスやサーキットにいるイメージ湧きますが、
それでは 今年のBEST3を発表いたします!


第3位!

第3位は……



EMIRI!


EMIRI "oyasumi" official video


シューゲイザーオルタナ、様々なジャンルに分類されるけど、そのどれもでもあり、どれもでもないスペクタクルな音楽に魅了されました。
元々彼らを最初に見たのはTwitterでのライブ動画の一部だったのですが、その時点で異彩を感じっぱなし。
インディーズのシューゲイザーサウンドってとりあえずギターが「シャー」って鳴ってるだけで何分も聴いてられないんですけど、
彼らは歌詞の面白さや歌い方のスピード、音のメリハリでずっと曲の世界へ没入させるトリックとセンスがすごいと思う。実際、ライブも増えているので生でも良いのでしょう。

初のタワレコに置かれたCDも買ったんですが、5曲26分と厚みがありながら一瞬で聴けました。もちろんまだまだ成長はしていくでしょうが、SF映画のような壮大な世界観とワクワクに満ちたバンドにどんどんなっていくのではないかと思います!



準グランプリ!

準グランプリは……



あるくとーーふ!


あるくとーーふ - カラフルカラフル【Official Music Video】


もちろん毎年未確認フェスティバルはしっかりチェックしてるので、去年のライブ審査の時点で存在は知ってました(決勝進出決定の動画も幸せな気分になれるので何回も見ました)。
なのでもう先取りではないかなと思う部分はあったのですが、
初MVの『ハニーレモンジンジャー』を見たとき、「え!?こんなに進化してるの!?」とすごく驚いたのをよく覚えています。この曲自体もより洗練された風に思いましたし、何より輝きだす爆弾が何個も控えてるぞ!と感じて、そんな未確認だけで絶対終わらないなと思い、応援していきたいと感じました。

その後MVも3作出すなど制作とYouTube、そして配信ライブという1年だったのですが、もう日々「攻撃的カラフルポップ」という言葉がこのバンドのものになっていくのを感じています。
瑞々しさと刺々しさを両立していく彼らの更なる個性に期待しかない。


グランプリ!

そして今年の先取りアーティスト大賞は……




bokula.!
おめでとうございます(と言えるくらい意味のあるものになったらいいな)!




【MV】bokula.-「愛してやまない一生を.」



いわゆる全国の10代のインディーズバンド好きのポイントを外さずついてくるギターロックと熱量。成長著しく感じる広島や岡山のライブシーンの中でついにヒーロー候補が現れたなという印象。
とはいえ6月ではまだ荒削りというか、まだスタンダードで全国区には少し時間はかかるかなみたいに思っていたですが、9月末の『愛してやまない一生を.』で撃ち抜かれましたね。

大きくギターロックが変わったとかではないんだけど、本当に「呼応させる」能力が半端なくなったというか…
それはepに収録されてる他のタイプの曲にも備わっていて、最新曲の『あの夜と.』もそう。
メンバーが4人に固まったのも大きいだろうけど、それでもこの数ヶ月でこの進化は驚いた。すごいハイペースに曲出してるしね。

間違いなくこれからライブシーンに広がっていくし、見てる世界が大きそうだし、今の関東の同世代のバンドにとにかくぶつけてるのを見たい。なんならぶつけたい。
そういう地域の希望も踏まえ、今回グランプリに選ばさせていただきます!!!


まーとーめー


今年は開拓大変でした。
それはあらゆるプロの音楽コンテンツが音源を「送りつけてきて!」と言うツイートを沢山見かけたのからも分かります。そんなのなかったし、むしろ炎上してましたよ、昔。

こういう時だからこそ原点に戻り、地道にむやみやたらに能動的にディグりました。そもそも僕自身は高校までド田舎地方勢、大学でも部活ガチ勢なので、ライブ行けない日々はどこか少し懐かしくもあったんですよね。
音楽に携わる全員がライブハウスを守るために動いてほしいですけど、そこと幅広くリスナーに届けるのは別問題というか。そのためにはジャンルを越えた分野、芸術、技術との関わりは更に大切になるでしょう。今年はそういった面でも期待できるアーティストを紹介してきた気がします。
元々遊津場もそういう全く外の存在である僕がどうバンドにもたらすかを当初考えてたので、改めてその方法も考えていく年になりました。
これはもう完全に僕の身勝手ですが、そういうバンドとこの新しい世界を面白くできるような存在に成長していきたいですね!


年間ベストソング大賞は残ってますが、一旦インディーズの側面はここでまとめさせていただきます!
今年も先取り様でした!!!