音楽好き、特にインディーズ好きの中には、
ただの見るファンに飽き足らず、
ライブハウスを自らレンタルし、
その日に自分の好きなミュージシャンを自ら呼んで、
告知し、ライブハウスの方や出演者の方と協力し、
最高のライブ企画を行う変態さんが一定数いる。
その中でも関西の各地のライブハウスでは、学生から社会人から、多くの変態さんがいろんな企画を行っているが、
その中でも今、最も異彩を放つ人こそ、
この「若いバンドマンを応援したいおじさんbot」、通称、若おじである。
1月から来月開催予定のものも加え、今年だけで計10回ものの企画を行う、
バイタリティーエグすぎサラリーマンである。
企画も東京でもしたり、2daysしたり、アコースティック企画したり様々。
関西のインディーズ関係者・バンドマンからも絶大の信頼を誇り、「ぜひ企画に出してください!」との声は関西のミュージシャンだけに留まらなくなっており、この前はついに大手音楽専門誌「Skream!」にまで名前が載った。
もう「若おじの企画だから行ってみよう」なんて人さえ彼の身内ですらないのにいる、
これって正直異常だし、そこまでするバイタリティーや熱量って計り知れないものがあるのです。
だから今回そこの部分を、6月に共催企画をした僕との会話で「120%骨の髄まで引きずり出してやりましょう」ということで、依頼を受けましてインタビューを敢行しました。
「若おじって誰?」って方から、若おじのことをよく知る音楽好きやミュージシャンまで、こういう音楽好きがいるんだ!ということを知ってもらえたらと思います。
で、ここまで企画してる彼のことを「イベンター」とは書いていません。
その理由も読めば分かると思います。
それではどうぞ!
以下、話し手
右が若おじ:若
左が遊津場:津
①スタンスについて
津:まず…プロフィールは65歳のおじいさんということでいいんですか?
若:その設定はTwitterアカウント開設してすぐ崩壊したのでいいです(笑)
東京出身大阪在住の30歳前後のサラリーマンです。
津:そうですね、もう企画出演者のMCでも「おじさんかと思ったら意外と若いやん」とか、「若いおじさんを応援したい…?あれ?」みたいな、ひとくさりのMCが定番になってますもんね(笑)
若:まぁでも名前見ただけで何する人か分からないといけないし、名前長くしたのも頭に残ってもらわないと、というのもあったんで、ちょっとはそこにハマってくれてよかったです。
津:そしてどんどん活動が増えて、定着していく中で、11月29日のDay On Umbrellaとの企画はSkream!にも掲載されたわけですが、改めて、若おじの活動のスタンスを聞かせてもらってもいいですか?
若:まず儲けるとかは考えてなくて。アーティストありきの僕なので利益とか出ても出演者に還元するし、そもそも企画自体も演出とかにお金かけて、よりアーティストを主役に引き立たせたるものにしたいと考えてます。これはライブ以外の部分でも、そういう手助けがしたいなというのは常に考えてますね。
津:そこまでの精神で手助けしたいなと思ったきっかけはなんですか?
若:まずはインディーズバンドのライブを初めて見たときに、レベル高いなと思ったのと、普段、営業として働いている者として「営業が得意ではないな」というのを思って、手助けしたいなと思ったんです。
津:営業……そこで一つ気になるのは、僕もですけど普段のサラリーマン社会とバンドマンを取り巻く社会って全然違うじゃないですか。
やっぱりそこら辺の差というか、だからこそ感じるものもあったりしますか?
若:ありますね。例えばライブハウスのイメージだったり、ライブチケットやドリンク代とかも個人的に思うところもあったり、あとは企画ごとに呼びたい層とかも考えるとこれくらいの値段にしたいとかもある。
でももちろん最高のライブをしてくれる出演者への対価もと思うし、単純に利用できる予算の上限もあって。
だからそこは出演者とも話し合うし、代わりにこういうものを企画・働きしますよという条件を提示して、Win-Winになるようにすごく頭を使ったりしますね。
津:まぁそういう出演者も満足するようなギブ&テイク。
営業はモノを売るだけと思われがちですけど、こういう同時に信頼関係も強固にするスキルは、まさに一般社会の中で培われたようなプロの営業スキルだと思いますね。
若おじ特に出演者から「若おじがここまでしてくれたんだから、僕らも頑張ろう!」と思わせるほどのバイタリティーとセンスもありますし。
若:普段の仕事も企業と企業の間に入ることが多いんですけど、そしたら「お前、間にいるだけで、何もモノ作ってないのに、なぜそんなお金取るんだ?」ってなることもあるんですよ。だからそこを納得させるだけの対応はしなきゃダメなんですよね。
津:で、そういうふうにギブ&テイクの関係性が上手くいってるかどうかで、ビジネスもですけど、ライブの雰囲気とかもすごく変わるんですよね。
若:変わります。変わります。自分は他のイベンターさんのライブはあまり行ったことないんですけど、普通にバンドの企画のライブでお客さんとして行った時に、良い関係性・雰囲気だなっていうのは分かりますし、重要ですよね。
津:お客さんにも信頼関係というものは伝わりますし、良い企画をするには欠かせない条件だと。
若:そうなんですよね。
あとはビジネスとアートのジレンマなんだと思ってるんですけど、この中にバンドマンは本来音楽だけに打ち込むものだという考え方があると思うんですよ。
僕もこの考えには賛成で、あくまで良い曲を作って、自然と良いと思っている人がお金を落としてくれるのが一番の理想だと。メディアとかメジャーとかそういうのは、それあって後から付いてくるものだと思いますし。
でもそれができるかと言われると、それができる状況ではない。それは1ファンとしてもどかしい。
本来はそういうサポートをする会社とかあれば頼むんでしょうけど、それができないのなら企画でも、スタッフでも、お金はもとよりしたい!と思う僕はニーズがあるとも思ったんですよね。
津:で、またそのきっかけから、さらに奥層にいくんですけど、そこまでの音楽への熱量には、やはり原点があるんですか?
若:バンド自体は中学生の頃に好きになったんですけど、でもいろんなジャンルの音楽を聴いてました。それがやっぱり自分の人生を形成してる部分は絶対あります。
津:まぁ企画までする音楽好きって、大袈裟かもしれないですけど、音楽に命救われているところがある人はありますし、若おじもそこまでがないと、ここまで動けないでしょうし。
若:あと、僕は小さい頃から、なんでもかんでも経験していくのが好きで。
絵を描いたり、スポーツもいろいろしたり、習い事も多くしてたので、いろんなものに触れていると思います。
で、その中で思ったのは「好きなことはなんでも全力でやったほうがいい!」ということなんですよね。
そうしていく中で、その道を突き詰めた人や憧れの人に会えたり、交流する、友達になるチャンスが巡ってくるんです。そこでさらにいろんな話をさせてもらえたりすると、やっぱり人生楽しくなりますよね。
例えばサッカーもやってたんですけど、頑張ってたら、たまたまツテがあって憧れの選手に会えて、教えてもらったりもしましたし、ありがたいことにそういう経験も少し小さい頃からさせてもらってますね。なので自然とそういう人と話すことに対する免疫みたいなものは付いていると思いますし、「こういうのどう?」と言うことが出来ますね。
津:それは今、大きなアドバンテージになってますよね。
その経験もあるから、そういう技術や出会い、交流というのはお金に代えられない人生を豊かにする価値があるというの知ってる。
で、今のインディーズの音楽もそれに類するパワーがあることを知っているから尊敬もしてるし、ま、お金もらうとかじゃないに繋がるということですね。
若:そうですね。それで僕と関わって与えられるものがあるなら与えたいし。何でも屋でもいいです。
でもこれをビジネスにしちゃうと変わってしまうと思うので、僕はお客さんのままでありたいんですよね。
↑顔出しNGなんです
②Twitter運用、紹介に関するこだわり
若:まず紹介させていただく立場で恐縮なんですけど、自分がいいと思ったものじゃないと紹介しては、むしろいけないと思ってます。
津:そのこだわりは僕始め、紹介アカウントしてる人はそう思ってるでしょうね。
若:そこがブレると、コンテンツとしてもブレて、いいものにはならないです。
なので万人受けはないかもしれないけど、でも僕が軸として持ってる「ココが凄い!」というポイントに対して共感してくれる人はもっといるんだろうなと思います。
インディーズアーティストって数も多いですし、全部まとめるのは無理なので、音源聴いて、実際ライブ見て、良いなと思ったのを絞って紹介するようにしていますね。
あとは紹介の時期にもこだわってます。
ファーストインプレッション(第一印象)ってムチャクチャ大事だと思ってます。
良い!と僕がライブ見て思っても、実際ネットにMVはなくて、拙いライブ動画やデモ音源、編集した音源しかなかったら紹介しません。
もし僕が紹介した後、それ聴いて中途半端な印象を与えることになると思いますし、その後その印象覆すの大変で、まず今後検索もしてもらえなくなると思うんですよ。
津:(僕も音源その他内容見て厳選はしてるけど、取上げスピードは意識してるから刺さるものあるなー…)
若:だからライブ会場でも、メチャクチャ良い曲してたら、そのアーティストに対して「これMVにするんですか?」とか「音源化はするんですか?」というのは聞くようにしてます。
津:それはまぁバンドと信頼している若おじのフォロワーさんとのミスマッチも防ぐことになりますもんね。
若:インディーズとなるとその第一印象からの手のひら返しは特に大変ですから。
津:そんな若おじにも聞いてみたいんですけど、若おじの活動始めて1年半。インディーズも含め、音楽のムーブメントや環境は変わってきてると思いますか?
若:例えばKing Gnuの音楽も、実はいなかったわけではないと思うんですよね。でもあれだけブレイクするというのは時代の変化だと思いますし、真似しているバンドも増えているのは感じます。
津:そういうムーブメントを読んでの先取りはしていきたいという思いはあるんですか?
若:思いはありますね。インディーズ好きには少なからず「先取りしてたぜ」と思いたい気持ちがあると思うので、アカウントとしてしなくちゃいけないなと思いますし、「先進性」「売れる」ということも大切だと思いますね。
津:そういうこだわりは企画の中にも表れますか?
若:そうですね。ただそのためには例えばVJ(映像演出みたいなもの)も必要だなと思うところもあるので、人脈やお金をどうするかというところですね。
バンドもライブ演出でこういうのがしたいとかあると思うので、そこを手助けしたいですし、若おじの企画にバンドが入ることで、さらにそのバンドの特徴が活きるような、そういう企画にしたいなという思いはありますね。
津:だから若おじという一つのコンテンツ、まぁ箱のようなものになる。
そこに本当に自分の好きなバンドを呼び入れて、バンドだけでは作れないようなアイデアやコネクションも活かすことで、そのバンドの気持ちが盛り上がるものを与える、つまりはギブ&テイクができて、最終的にみんなハッピーになればいい。
若:だからこそ自分が好きというか得意なジャンルのものが活きないと、アイデアも出ないし、自分が取り上げる意味はないですよね。
津:まぁそこはアカウントとしても、企画者としてもかなり明確な箱を持ってますよね。そこに入りきらなかったり、合わなかったりがありますもんね、もう。
若:むしろ好きなバンドで、かつ「出してください!」みたいな連絡ももらうんですけど、それは出したくないわけではなくて、やっぱり見せ方までしっかり考えないとお願い出来ないんですよ。
だから結構11月29日の企画なんかは「出してください!」と連絡いただいた中で、出演者の色がまとまったり、タイミングが良かったりして企画できたかなと思います。
津:そうやってどんどん企画重ねたり、単純にライブを見る回数も増えていって、軸、というか箱ですかね、もどんどん強固になっていってる。
その中で今までで、若おじの活動で覚えてる成功や失敗はありますか?
若:今までの企画でTシャツ付けてみようとか、酒飲み企画とか、遊津場さんとの共催もそうかもしれないんですけど、毎回何かしらやってはみているんで、合わせて失敗ももちろんありますよ。1月のTシャツとかデザイナーに頼んだりしてお金かけたんですけど思ったよりもらってくれなくて、めっちゃ余りましたし(笑)
津:お金のかけどころは難しいですよね。お客さんの趣向も千差万別ですし。ライブだけ楽しめればいいというのは本質ですし。
でもやってく中で客層の感じも掴んでいけましたか。
若:成功した部分で言うと、結構来てくれたお客さんとのコミュニケーションが取れているところかなと思いますね。
津:若おじの企画だから行こう!という声ありますもんね。最高でしょう?
若:最高っすよ(笑)。嬉しいし、お客さんと会話してると情報収集にもなりますし、会話してる分、「次はもっと良い企画にしたいな!」とも思えますし、分析は大事なことだと思いますよ。
津:でもそういう密なお客さんとのコミュニケーションは個人企画ならではですよね。出演者側が話し過ぎると、まぁ周りの目もありますし、物販が滞ることにもなりますし。だからそこの部分を担うというのもありますよね。
若:大事大事、それは凄く。出演者にできない領域はあるので。
津:出演者とともに作り上げてる雰囲気になりますよね。
ちなみにフェスとかしてみたくはないんですか?
若:フェスまでいくと巷にすごく増えてますし、僕がやる意味はないんですよね。
どっちかと言うと平日のライブハウスでの企画というか。そこがやっぱライブハウスとしても埋めるの難しいところもあるので。そこをどうしていくかを考えるほうが向いてるかなと。まぁ土日もやりたいですけど、どちらにせよライブハウスに来る人の母体が大きくするためのスタンスでありたいので、ライブハウスでやることにこだわりたい。
やっぱりバンドをしっかり集中して見てもらいたいので、やるとしてもタイムテーブルは絶対被せないですね。
③11月の企画について!そしてこれからの話
まずは11月12日・13日
「混沌と戯れ」2Days!
若:そもそも「混沌と戯れ」は今年このタイトルは何回かしているんですけど、一貫しているポイントとしては中毒性をキーワードにして、ジャンルに関わらず良いアーティストを集めた企画です!
そしてそこに何が生まれるかというと、まずはカッコイイかつ、独創性のある演奏が多く見れるので、見てて楽しい。そして「この対バン見たことないよね」という組み合わせのオリジナリティ。
でも初めての組み合わせなのに見た後「しっくりくる」とお客さんに思わせるような見せ方をしているというのがウリですね。
津:まぁバンドもなんでもかんでも思い通りな対バンとかはできませんし、繋がり広げるのも難しいですからね。
若:そうです、そうです。
で、今回は2Daysで1日目が【恍惚の夜】、2日目は【激情の夜】というサブタイトルを付けました。
津:その理由はなんでしょう?
若:1日目【恍惚の夜】は楽曲やステージングに「惚れ惚れする」というのを僕が感じるアーティストを集めて、
2日目【激情の夜】はライブパフォーマンスを見て盛り上がるというか、自然と体が動きだすようなアーティストを集めました。
そこにはジャンルだけじゃなく、「このバンドのこのドラマーが上手い」というテクの部分も考えて呼んでたりするんですよ。2日目とか全員バチバチですよ!
さらに今回は初の試みとして、僕がフリーの照明さんにオファーして、各出演者のセットリストを聴き込んでもらって、当日表現してもらいます。
今までは自分1人でやっていたんですけど、今回は企画を一緒に作り上げる人にもこだわっています。
津:細部へのこだわりは大事ですし、各々得意分野の人を組み合わせることによって化学反応は生まれますしね。
そしてその中で2日間とも出演の「さらばルバート、空を飛ぶ」。
若:ルバートに関してはすごい楽曲の幅広さを感じています。でも対バンだと楽曲数は限られる。だから2Daysでいろんな曲して、いろんな姿を今回見てもらいたいと思いオファーしましたね。びわ湖くんも知らない人は、一体どんなライブするか楽しみでしょうし。
そして11月29日
若音祭〜わかおんさい〜
若: あるある(ライブキッズ中の人)さんとかもやってますけど、学生が見に来やすい企画を前々からやりたいなと思って、無料(2ドリンク代は必要)にしました。今後も若音祭に関しては無料でして、若音祭=無料のイメージにしたいなと思っています。
津:金曜日なので学校、部活、もちろん仕事終わりにもフラっと来れると。
若:当日の企画や演出ついては模索中ですけど、何か会場内には仕掛けしたいなとは思ってます。お楽しみに!
そして今後の話になるんですけど、
この若音祭もDay On Umbrellaでバンドとの共催になるんですけども、
こういう共催の企画というか「Supported by 若おじ」を増やしていきたいなと思ってます。
そうすることで、もっと全国のライブハウス周ってみたりして、地方のライブハウス活性化みたいなことにも興味があります!超やりたい。地方活性化。
津:地方には地方の良さがありますしね。地方で活躍するバンドもいますし。
若:やりたいのは地方のバンドに呼ばれたりしたら、出張もむちゃくちゃ多い仕事なんで、その地方のライブハウスに出向いて、周辺の雰囲気や普段どれだけの集客があるかとか、地方の情報も理解して、周りの施設とか観光地も見て、それをまとめたのを見た結果、大阪や東京からもお客さんが来るようなイベントにしたいんですよ。地域活性化なので!ブログとかもフル活用します。
津:今回も岐阜のヨルトエや愛知のNIL ad 9もいますし、 既に大阪以外の縁もゆくゆくは…と考えられそうですよね。
若:NILはずっと呼びたかったですから、こちらも念願ですし、しかも最近出したMVがめっちゃ良い!
あと29日で言うと、ステエションズはダークホースですね!
津:ということで、まぁ少し今後の目標も出てますので、そろそろまとめになります。
若:なのでまぁ来年は今年ほどは主催企画はできない。もちろん仕事の都合もあるんですけど、今年はこれくらいできるのが早い段階から分かってたんで、僕のことを知ってもらいたいという面もありました。
でも今年はやっぱり多くのイベントを打ったんでイベンターとして見られているとは思うんですけど、元々やりたいところを見ると、自分はキュレーター(間に入り情報を集めて発信する人)なのかなと思いますね。実際ライブハウスの人には、そう呼ぶ人もいます。
津:主役をアーティストに置き、考えてるけど、ブッキングとはまた違う。
若:僕は何かを作ってるわけではないので、作ってるのは出演者とライブハウスの人なので、代わりに演出とか、それこそ地域活性化のこと考えたりとか、なかなか手が伸ばせない領域も担うと。
津:実際のライブの楽しさはまぁ出演者が腕を見せるところですし、ただそれをいろんな学生や僕ら同年代のサラリーマンに見せる機会を様々な場所に増やす。
そしてそれが若い頃の若おじみたいに、子供に夢を与えるきっかけになるかもしれないし、同年代のサラリーマンは「よし頑張ろう!」と思えるだろうと。
そこに意味を感じるのは、少し話は戻りますけど、そういうお金に代えられない人生の価値を与えてもらった経験に対する「恩返し」という気持ちもあるんでしょうか?
若:それはありますよ。やっぱり小さい頃に刺激を受けるような出会いをしたんで、自分からそういう場所に行くこともして、いろんな価値観に触れて、いろんな自分の価値観が形成されました。
逆に僕は都会で育ってきたんで、地域にはどういう出会いがあるか分からないんですけど、分からない分、そういう出会いを地域にも広げたいという思いは強いです。
あとは僕のこの活動を「これは長く続けるべきだ」と言ってくれる周りの人も多くて。その中でライブハウスに関わる人や出演者と、もっと面白いことしていきたいなと思えるようになってきましたね。
津:今、若おじという箱の中に、多くのスタッフやアーティスト、ファンが入っていってますよね。ただそれは箱を大きくしたいよりも、この経験や出会いを多くの人に自分から届けていきたいんですね。
ただこのペースでいければ、企業なんかも手助けしに箱に入ってくれるようになるかもしれませんね。
若:やっぱり演出に興味があるので、そういう協賛をお金はいいから、なんか技術とかでしてくれたら楽しいでしょうね。
津:ただもちろん続けるには、良い音楽・ライブをする信頼の置けるアーティストを、今後も見つけていかなければならないわけで。
若:そこをしていくにも、やっぱり軸はブレちゃいけないわけで。それで誰かのためにできることを見つけたら、なるべく足を動かしてやる。それはお金よりも、どんな意味があるか大切にして考えるというスタンスは今後も曲げずにしていきたいです。
津:まぁ非常に若おじがどんな人であるか、そして今まで若おじに関わってきた人にも刺激になるようなインタビューだったと思います。
どうも、ありがとうございました!
まーとーめー
ということで若おじがかなり赤裸々に思いを語ってくれました。
僕自身も良質なインディーズアーティストを紹介するアカウントだし、一応Eggs「キュレーター」という肩書があるので、刺激を受ける部分は多かったです。
何より僕も学生時代に多くの芸術家やクリエーターに触れた経験が、この遊津場の活動に繋がっているので、そこは共感しかありませんでした。
もちろん細かな紹介スタンスや、僕はコンビニもないところで育った超地方勢なので、そこでのベクトルの違いはあるんですけど、それはそれでそれを武器にしていこうと思いますし、誰にでも武器があるってことはこのブログを読んでわかったんじゃないでしょうか?
自分で書いといてなんですけど、これは邦ロックとか関係なく、結構やりたいことが見つからない若い人への、背中を押す文章になっていると思います。
なので何かちょっとでもいいなと思ったら、無料ライブの日もあるし、彼の企画に行ってみてはどうでしょうか?
彼は数ある個性的なアーティストも認める「コミュニケーションお化け」なので、普通に喜んでくれると思います。何より本当に良い出演者のセレクトなので、音楽の価値観が変わるきっかけになるかもしれません。
ともかく僕は来年以降の彼の活躍も期待しています!
あと、共催企画の「しょかみて!」Vol.2はマジで分からん。海外出張あるとか言ってるし(笑)
それでは、この辺で。