邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

MASH ROOM2019の出演者をインディーズ紹介アカウントが紹介してみた

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夏休み、暇なので思いつきです(笑)
これ行けませんし。

でもちょうど書こうか書くまいか悩んでたラインのバンド達です。(Saucy Dogは過去に書きました)
行きたいです。もちろん。
普通に全組好きだし。


ロッキンのGRASS STAGE他、大型ステージに定着しているTHE ORAL CIGARETTESフレデリック
鮮烈に登場し、今は地道に1歩ずつ無くてはならない存在になってきたLAMP IN TERRENとパノラマパナマタウン
若くて活き良く駆け上がるSaucy Dog。
そして違うタイプの新世代バンド、YAJICO GIRLとユレニワ。

今思えば全組ライブ見たことある!
全部フェスかサーキットだけど。

そしてこの全組、インディーズの時にここのオーディションを勝ち抜いて、今があるんです。
年間通じて予選を行い、セミファイナル審査、ファイナル審査とかなり労力をかけてバンドを見極めてます。
(今年はMASHHUNTと名前を変えて、いろいろ変わるそうです)

そしてそんだけしといて、ここ7年で2回「該当者なし」を出してる、まぁちょっと異例なコンテストです。
でもまぁそれだけ本気でムーブメント作るバンドしか選ばねぇという運営側の気概も見えますよね。
今はコンテストが乱立して、グランプリだからって売れるという路線はなくなってきましたが、このコンテストはまだその可能性というのを、ちゃんとバンド側に示してる。
だから妥協はしないし、グランプリ獲ってからも覚悟しろよっていう雰囲気があります。

僕はインディーズ開拓アカウントなので、過去の予選通過者とかも見てますが、
この所属7組以上に、予選はジャンルとかもバラバラで多岐にわたります。あと他のコンテスト以上に先取りな印象もある。
本当に幅広い視点で考えてるのかなと思います。

だからこそ今もなお、バチバチなインディーズのどん欲さ、まぁ「BKW魂」とも言えるでしょう!
そんな気持ちを感じる7組を言わずもがなな気もしながら、僕目線で紹介します!


THE ORAL CIGARETTES

<ノラガミARAGOTO>OPテーマ THE ORAL CIGARETTES「狂乱 Hey Kids!!」MusicVideo - YouTube


実は1年半前に「インテリロジックな楽曲と綿密な計画性と圧倒的不屈な精神力」と書いたことがあるんだけど、
この1年半でここまで¨強い¨バンドになるとは正直思ってませんでした。

一時期「オーラルは売れた要素が分からん」みたいのが広まりつつあって、一部炎上してたことがありました(僕が言ったことじゃないですよ!同意もしてません!)。
でもその理由を考えると、たしかに当時、決定打と言える曲はなかった、と、今なら言えます。
にわかからすると『起死回生STORY』のイメージに勝てる曲がなかったんですよね。

ただオーラルのすごいのは、もちろんその後『BLACK MEMORY』のような新キラーチューンを作ったこともさることながら、
『狂乱Hey,Kids!』や『カンタンナコト』といった楽曲も評価がグングン上がってる気がするんですよね。
新規のお客さんが増えながら、この1年半で「あれ?オーラルって凄いんじゃないか?」という早すぎる再評価のサイクルを同時に起こしてる。イケメンとかBKWとかで隠れがちだったけど、壮大なスケールを持った聴けば聴くほど良くなるスルメバンドだったというのが最大の売れた要因だと思います。
まぁこの現象こそがブレイクってことなんでしょうね。

で、とにかくインディーズの時から活動的で、その姿勢はアルカラにも買われ、可愛がれ、そして大きくなった今、自分達の泉大津フェニックスの企画にアルカラを呼んで恩返しをする。
そういう「いい意味での」インディーズの身内感みたいなところは、その当時から変わってないらしく、だからこそ今も対バンライブではバチバチで、それがMASHの雰囲気にも合ってる、作ってるんだろうなと思います。



フレデリック

フレデリック「オンリーワンダー」MusicVideo / frederic“ONLYWONDER” - YouTube


『オドループ』とあとKEYTALKの『MONSTER DANCE』が世に出たとき、
どれだけ「はい、ロック死んだー」と言われたか。
特に当時はKEYTALKより実績もなかったので、いきなり多くの良いもの悪いものを抱えたと思います。

「それでも折れずに踊らせていくんかなー。もう夜の本気ダンスなんて名前のバンドまで出てきたけどなー」とか思ってましたけど、
それもしつつ、その時々の感情を正直に出し続けたのがよかったのかなと思ってます。
『ハローグッバイ』や『オンリーワンダー』、今思えば過去2回見たライブ(2017年OTODAMA、2018年CDJ)もどこか「くそったれ!見たか、この野郎!」っていう怒りみたいなのも常にあった。ていうか声震えてた。

現代的なメディア対応もこなしながら、ライブではネットとしてのフレデリックは完全に捨てて、全員フレデリックのこと知らない体でやってるみたいな。
だからCDJでの「現場で見てください」「ワンマンに来てください」というストレートな感情は、神戸太陽と虎で見た、19才の名も知れない、夢しかないバンドと一緒だなと思ったんですよ、本当に。


LAMP IN TERREN

LAMP IN TERREN「New Clothes」Music Video - YouTube


愚直。
本当にこの言葉が一番よく似合うバンド。

その曲が、これを必要としている人にちゃんと届くように。
飛び道具は付けずに。歌の力で。
LAMP IN TERRENという衛星から、その人のDNAに直接交信しているような。
そんな感覚に浸れるロックバンドです。

僕もRO69で『ランデブー』聴いたときに、
「スーパールーキー現れる!」と思ったタチなんだけど、
そこからあんまり変化はないな?と正直思ってしまって、1stの『PORTAL HEART』しか聴いてなかったんです。

でもこのアカウント始めて、邦ロックの雑多感を知ったゆえ、流行りに流されないカッコよさが分かり始めた。本当に名前のまま、誰かの心の灯火を絶やさないことを続けている嘘偽りの無さ。
2017年のRADIO CRAZYのステージを見たとき、喉は不調でしたけど、魂の、ステージを目一杯使ったステージングは、果てない銀河の中で自分の存在意義を探す、松本大が灯火そのもののようで、目頭が熱くなりましたね。
そうやって一人一人にとって大切な存在になっていく、消費されるとかそういう次元じゃない歌を作って、エレファントカシマシみたいな存在になるのかもなと感じています。


パノラマパナマタウン

パノラマパナマタウン「Top of the Head」Music Video/PanoramaPanamaTown"Top of the Head" - YouTube


こういうインテリジェンスで早口に捲し立てるのは、単純に個人的に好き。
フリースタイルとかもやってるし、最近は見た目からエキゾチックだしで、良い意味で邦ロックではなくなってきたオリジナリティー

でもメジャーデビューした辺りから、岩渕さんのボーカルってすごく上手くなってるというか、ラップとサビでは引き出しの違うようなリリックを表現させる唯一無二のボーカリスト岩渕が完成しつつあって、もっと評価されてもいいと思う。
あんな歌い上げられる印象はちょっと前までなかったです。

僕が一番印象的なシーンは彼らがメトロックに初出演した時。
当時は小さなステージで、その中でも無名だったから、リハーサル中もバンバン人がメインステージに流れていく。
それを「なんかすごい形相だな…」という目で見ていたのが怖かった。
そしてライブ始めるやいなや、『世界最後になる歌は』で一気に客席へ!
ずっと支えてたんだけど、既に体は熱を帯びた鉄のように熱かった。やっぱキレてたんか。
そんな感じで「俺達がNo.1!」というのを最も体感してる。

もっと大きな舞台で「いい趣味してるね」って言われたいねー


Saucy Dog


Saucy Dog「ゴーストバスター」Music Video - YouTube


主に言いたいことは、1月に書いたこのブログで書いてます。

Saucy Dogのことなんか書けないよ - 出会い厨より、情報厨


アクの強さをウリにするバンドが多い中で、白米なような存在でもありつつ、しっかりインディーズらしさも残す、
王道とインディーズの良いとこ取りが、今一番できてるバンド。

ドラマストアやアイビーカラー、ユアネスなどとともに新たな美メロロックを流れを作っているのは、しっかり革命家ですな。


YAJICO GIRL

YAJICO GIRL - いえろう[Official Music Video] - YouTube


「出れんの!?サマソニ
「eo music try」
「十代白書」
「未確認フェスティバル」
そして「MASH FIGHT」と、

2016,2017年でこれでもかと大型コンテストで結果を残し続けた彼ら。
KANSAI LOVERSでオープニングアクトの時のライブも見たんだけど、やっぱり『いえろう』の持つ言葉の浮遊感をバッチリ当てはめたバンドサウンドはセンスの高さしかないし、2年経った今も覚えている。

そんな彼らは2年間じっくりと音源製作に向き合った。
どちらかと言えば、熱い感情を出すタイプではなく、どこにでもいるようなゆるい雰囲気の若者達。
でも、それならばと「indoor」に本気を沈み込ませた、そのこだわりの強さはベクトルは違えど、このMASHの先輩方に引けを取らない。

石橋をしっかり叩き、熟成したライブは確実に心を掴むだろう。


ユレニワ

ユレニワ - 缶詰 (Music Video) - YouTube


気を付けてください。
正直、今のところ今年見たライブで最も圧倒されたかもしれない。

大逆転で昨年のMASH FIGHTを勝ち上がって、令和期待の20才バンド群からピックアップされた形になったけど、もうそこからしっちゃかめっちゃか刺激を受けまくって、剥ぐ殻少しでも見つけたら、急いで引っ掻き取ってることが伝わってくる。
結構、もっと若い頃からコンテストに出てきて、敗北も経験してるから、決死隊としての厚さもあるからか。

思えば関東のバンドはユレニワが初。
関東の若手インディーズバンドシーンの起爆剤として、そのシーンに変化をもたらすだろうし、先輩方もうかうかはできない。


まーとーめー


というわけで7組紹介しましたが、もうバチバチの負けず嫌い達という印象ですね。
スマートな見た目に惹かれがちですが、それぞれがそれぞれの熱でシーンを丸め込もうとしている。
14日の新木場COASTは油断してると火傷するね。水分補給気を付けてください。



そしてそして今年のコンテスト、
この7組と将来的に並ぶかもしれない7月ノミネートはこちら。

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個人的に過去紹介した応援しているバンドは、ニモニック初恋モーテル
独自の感性とロックサウンドが運命的にマッチングした歌を放つ若手2組です。

あとは6月の企画に出たくださったMASH BROWNも!
芳醇なPOPマスターは、ライブではしっかり熱のあるMASHらしい(ややこしい)バチバチ感のあるバンドです!

あとSSWの有澤百華も気になってます。




このコンテストやライブを通して、出身バンドのヒストリーを感じ、
そしてまた新たな歴史の目撃者になりましょう!


それでは、この辺で。