邦ロック最前線情報局

元地方勢の目線から、邦ロックの最前線を

洋楽や英歌詞で歌うバンドの良さ分かる?僕も自信ない。でもこの記事は勉強になるよ

だって何言ってるか分かんないんだもん。
それよっか野田洋次郎の、藤原基央の、草野マサムネの紡ぐ言葉、ヤバくね?
演奏?どれも一緒に聴こえますけど……



これ言うと「いやいやリズムがさ……」「テクニックがさ……」「歴史がさ……」「理論上さ……」って言う人、ぶっちゃけ嫌いです。
絶対なんも分かってないというか僕とほぼ同じ知識だろうに、邦楽見下してる。とりあえず邦楽は薄っぺらいって言うだけ。
演奏とかお前も分かってねぇだろ。お前は洋楽が好きなんじゃなくて、洋楽を聞いてる自分が好きなだけじゃねぇか。そもそもお前、海外どころか、この県から出たことねぇじゃねぇか。
まぁ、中高生時代の兄のことなんですけどね。


さすがに僕も20才も越えて、音楽いっぱい聴いてると、日本語でも英歌詞でも、その曲の「聴かせ所」みたいなの分かってくるし、今ではそれを基にした好みのバンドもいるんだけど、高校生くらいまでは「洋楽や英歌詞で歌うバンドは本物」みたいな風潮が嫌で嫌で仕方ありませんでした。(さすがに兄もアラサーなので、もうこんなことは言いませんし、他県で一人暮らししてます)

でもこういう兄みたいな人って世間にも多いと思うんですよ。
とにかく誰かにマウントを取りたいがために、洋楽聞くやつね。
兄は陰キャラだけど、偏差値パリピにもいるし。
あー、嫌い。こちとらRADWIMPSでメチャクチャ感動してらぁ。わりぃかぁ。


こういうのがいるから、英歌詞で歌う日本のバンドにも「カッコつけてるだけじゃん」って少し思うんですよね。


ひょっとしたら、洋楽との出会いが邦楽の否定から入る兄のような人ではなく、尊敬してる先輩や先生・親戚とかで、「洋楽は邦楽とこういうとこが違うから、私は好きなんだよー」って普通に説明してくれていたら、ここまでのアレルギーはないどころか、僕自身もハマってたかもしれません。


邦楽・洋楽、日本語詞・英歌詞の優劣合戦は絶えませんが、結局は好みというより、洋楽や英歌詞バンドはその出会い方が大切なんだと思います。
多分人生最初のライブが洋楽や英歌詞バンドなら、すぐ圧倒されて、皆ハマりますよ。

元々僕が邦ロックにハマった理由も、親友にRADWIMPSを勧められたからですしね。
これが大嫌いな人からなら聴いてないし、聴いて良いとなっても、なんだか悔しいから聴かないでしょう。
10代の頃に何を好きになるかって、そのモノ自体のクオリティより、成長期特有のイビツなプライドをどのように刺激するかって部分が大きいと思うんです。
だから誰に教えてもらったとか、どんな過程・心理状態で出会ったかみたいな、ある意味運だと思います。



そんな中興味深かったw-inds.の記事


でもまぁ、関ジャムとかで蔦谷さんとかのあの解説聞いてたり、もっといろんなバンドをいろんな角度から紹介するためには、ワールドワイドな知識得たいなぁと思ってたら、この前のw-inds.の記事が少し心にあったモヤモヤを晴らしてくれました。


【邦楽に危機感w-inds.の転機】
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6293921
2018/8/19ヤフーニュースより


かなり要約して説明すると、

「あれ?日本の音楽って何年も変わってなくね?それに比べてK-POPはここ10年くらい常に進化してね?」

「やべぇ。このままの"日本のアイドル"じゃ続けてらんねぇし、日本のアイドル像ってもう世界じゃだいぶ古いぞ。もう今のスタンダードのアイドルはしっかりアーティストだ。w-inds.もアーティストと胸張れるくらい音楽学ばなきゃ」

「海外のプロとも手を組んで思ったのは、俺達は一応音のプロなんだから、いつまでもリスナーに寄り添うんじゃなくて、プロらしい細部まで作り込んだ音楽を提供していくのも仕事です」

こういうことだと思います。
三浦大知なんかもそうですが、世界で活躍するw-inds.からのこの警鐘は、なかなか説得力があります。
特にこの一節、

「J-POPは何がメインディッシュかというと、基本的には歌詞だけなんですよね。でも、海外の楽曲を幅広く聴いていると、歌詞の場合もあれば、ヴォーカルの場合もあるし、ドラムのキックの場合もある。いろんなパターンがあるけれど、やっぱり音数は少なくて、アーティストとメインディッシュが目立つ作り方になっているんです」


歌詞だけではなく、
幅広く"音を楽しむ"。
皮肉にも、ここが音楽とMUSICの差になりました。

やっぱりここが大きな差で、洋楽にルーツがありそうな日本のバンドは、たしかにこの部分大切にしてそうに思いますよね。THE BAWDIESとかOKAMOTO'S聴いてたら。


でも、その部分をリスナーに気付いてもらうのってかなり難しい。
それは日本人のレベルが低いというより、日本語の優美さ半端ねぇのもあると思います。
別にデータとかないですけど、日本人は他の国より母国語、多分めっちゃ好きです。
やっぱり日本で創作する者として、ここをスルーするのはかなり勇気があると思います。

実際、[ALEXANDROS]が好きでも、
「『KABUTO』が大好き!」って人、
どれくらいいるかって話ですよ。

僕も題名通り、サウンドの作りはよく分かってはないんですけど、もう[ALEXANDROS]は確実に世界発信モードになってて、w-inds.のように世界の音楽に強いプロデューサー付けて、4人も勉強中のはずです。
その一手としての『KABUTO』です。


でも、再生回数は伸びてないし、時折「なんか盛り上がりに欠ける……」「シンプル……」というコメントが見受けられました。

それもそのはず、やっぱり日本語の持つ強さに負けないように、いろんな音を足したり、盛り上がりを作ったりしてきた、"重厚な"音楽ばかりを僕らは聞かされ続けてきましたから。
そしてそれがいいと言われてきた。

でもw-inds.も言ってましたが、世界で戦うためには、音の引き算も必要なんだろうなと。
僕は[ALEXANDROS]から、そういう進化を感じ取れた曲に感じました。そういう曲はどんどん増えていくでしょうね。それで多少ファンが減るのは折り込み済みだと思いますが、その分海外のファンを増やすでしょう。
ファンとしては、それを楽しみにするのがいいんじゃないでしょうか。


またそういうことを知ってからw-inds.の曲聴いてみたら、歌詞も音もすごく少ないんです。
でもからこそすごく病みつきになる脳に染み付きやすい気持ちいい曲に思えます。
正直、橘さんソロの『FRIEND』以外、よくは知らなかったんですけど、僕は三浦大知よりw-inds.ですね。



まとめ

なんか今年のサマソニは洋楽の聴き方を考えさせるサマソニだったらしいですね。

テレフォンズの石毛さんの発言もしかり、よく知らないのですがチャンスザラッパーというアーティストのライブレポが話題になってました。今まで知らなかった洋楽の楽しみ方が分かって、すごく読み応えがありました。

繰り返しますが、こういうライブや人に出会っていれば、僕も違ってたでしょう。


でもやっぱり出会い方の運が悪いと、洋楽や英歌詞のバンドは聴き方が分からないと思いますし、これからも僕の一番の好みは邦楽の日本語詞だし、優劣をつけるのは永遠にナンセンスだと思います。


好きなもんは好き。音楽は本能。
それの否定は自分の人生観の否定。
そこまで関わんな、他人のくせに。

これが僕の正直なところです。


でも、邦楽の進化が止まっている。
これはもうやっぱり長い間音楽聴いてて、そう海外で活躍する日本人アーティストに言われたら、何の反論もないです。

ヤバいTシャツ屋さんも「より歌詞を空っぽにしないとウケなくなった。その皮肉で作ったのが『鬼POP激キャッチ最強ハイパーウルトラミュージック』」だと言ってます。


(ヤバTについてもこんな記事がありました。読んでみてください)
https://www.buzzfeed.com/amphtml/yuikashima/yabai-tshirt-shop?__twitter_impression=true


僕みたいな素人は勝手にYouTubeとかで曲やアーティストが氾濫していくと、逆に本当にいい本物のアーティストだけが、精査されて残っていくもんだと思ってました。


でもこういう記事を読んで、そのリスナー目線の「いい」っていうのは、あくまで歌詞のことしか指してないというのが、邦楽の現状なのかもしれないと思いました。


歌詞一点特化型の音楽ばかり。
それこそが邦楽の強みでもあるとは思うんですけど、やっぱり音楽というのは、演奏がないと成り立たないですからね。
そういうところにもしっかり気を配って「いい!」とリスナーに言わせるのが、本当のプロアーティストなんだ。そういうアーティストが増えていかないと、日本にいいものは残っていかないぞ。

洋楽、邦楽の優劣はともかく、それがプロの意見であり、そう言えるw-inds.やヤバTは、さすがプロって感じで純粋にカッコいいと思います。



こう思うと英歌詞で歌ってる日本のバンドにも、好みはともかく理解ができるし、本気で洋楽の良さを活かしたいと分かるバンドは好きになれるんじゃないでしょうか?



最後に僕オススメのそういう洋楽のルーツを大切にしていることが伝わる紹介バンド、JACK=ON=THE=FIDDLEの音源を置いて、このブログを終わろうと思います。

https://youtu.be/OSNAHK4hy6s




それでは、この辺で