邦ロック最前線情報局

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遊津場pre.先取りアーティスト年間大賞2019!

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今年も数ある邦ロック系インディーズアーティストの中から、
厳選して月間で7組前後、年間で74組、
むっちゃ先取りかつ、
「このスタンスで音楽していれば、知られさえすれば結果として売れるやん」
なアーティストを紹介してきました。
インディーズだからどう、っていうのは多少はあるにしろ、
成長曲線やライブ予定、ネットの利用法なども踏まえて、
今の有名アーティストと遜色ない良曲かつ覚悟を持つ方々として感動した74組です。

そしてそこにまぁ少しエンタメ要素というか、
昨年に引き続き、
月間先取り大賞を毎月決めて、
そこにワイルドカードの1組を加えたトップ画の12組の中から、今年も大賞を決めます!

まぁそんな選出から順位付けまで全部僕一人でやっているわけだから、
そこには何の意味もなくて(先取れなかったのもいっぱいいるし)、
ただただこの12組を今年のインディーズシーン振り返る意味でも熱を持って紹介するので、
皆さんにこの冬休みに聴いてほしいという気持ちです!

それでは、どうぞ!
(まぁいつかは業界のコンテストのグランプリくらいの影響力持ちたいよね 笑)


全体的な総括


とにかく今のインディーズシーンは20歳以下、高校生くらいのバンドも非常に元気である。
そのため月間大賞のアーティストも、平均年齢20歳未満は12組中8組(多分)もいる。

そのどれもが特徴的かつ大きな1歩を踏み出しつつあって、
ルサンチマンはロッキンの舞台に立ち、
ヒライMINOR THIRDは未確認フェスティバルファイナリスト、
my sister circleも十代白書決勝進出してtetoとの対バンも決まり、
明るい赤ちゃんもあるあるさんのツアーに参加。
遠藤理子の『平成最後』のMV再生回数は10万回再生を超えミナホにも選出。
あるゆえは先月始動ながらタワレコ未流通コーナーで売り切れを叩き出し、早くも多くの魅力的な対バン予定でぎっしり。
a veny pafaもOKOJOと共演するなど着実に進歩しながら、今回の十代白書もライブ審査まで選出している。

各々曲の表情は似てるようで全然違くて、
例えば衝動的で攻撃的と言っても、
ルサンチマンはその中でも鋭利に刺してくるけど、a veny pafaはもっと鈍器で不器用に心に圧し訴えてきて覚醒への事件性がある。
でもその事件性もMINOR THIRDとは違って、彼女達はもっとグロさがある。それでいて気品もあり、別次元のよう。
まぁ聴けばメッセージ性の違いは分かるので、
自分はどのバンドにどんな方法で、心の弱さを救われたいのかを聴いて決めてほしい。

my sister circleあるゆえも、
今後、2組を熱量の高い女性ボーカルバンドと一括りにはできなくなってくるだろう。
既に紆余曲折な背景が違うし、東(あるゆえ)と西(my sister circle) のライブハウスで地道にこれから鍛え上げられ、
そこで生まれる曲の持つ各々のストーリー性が多くの人を捉えて離さなくなるぞ。
ヒライも熱量と真っ直ぐな勇気を与えるバンドだが、
そこに今まであまり注目されてこなかった、
山梨のロックシーンを背負っていくという覚悟や経験は、
さらにどんな闇も、増えていくだろう令和の闇も照らすような光を放つ曲に繋がるだろう。

遠藤理子はこの中でも実はかなり未知数。
そもそもシンガーソングライターとかそんな肩書きではなく、
表現者として生きていくのを、公開されているライブ映像で強く感じたし、
来年の今頃には彼女の周りでどんな音が鳴っていても不思議でない。
そして明るい赤ちゃんは元気。
ただ10代バンドと、北海道バンドもトレンドだけど、ここまでの人間臭さは彼らだけ。
それでいて曲のキャッチーさはどれも才能を感じるので、勢いを大事にしてほしいバンドだ。

さぁこうなると負けてられない他の4組。
ただ残念ながらSchool Meets Geeksは解散。
去年のgrumble grumbleでも書いたけど、
中国地方のライブシーンは成長中なので、
新たにギターとして加入したアスノポラリスや、今年先取りした同郷のEnemyやS.peranza(岡山)もいいバンドなので、
担う存在として期待したい。

Ezoshika Gourmet Clubは全体的に高い音楽性で今年多くのコンテストシーンを荒らした。
なかなかグランプリには恵まれなかったが、先日のMASH HUNTでのライブ審査で4ヶ月の闘いを制しBEST ARTISTに選ばれた。
allicholyの持つ世界観の描き方はメランコリックなんだけど美しく、SSWとしても活躍するボーカルの儚さと可愛らしさを纏った歌声が明暗どちらのサウンドにもマッチする。
制作期間突入を発表したが、どれだけ待っても期待値が勝つ。
そしてlungs roseは聴けば全てを奪い去る力を持つ2ピース。ライブバンドが好きだって人は、少しハードル高めでもいいので聴いてほしい。
有名レーベルは何してる。


さぁそして今年はこの中から、
準グランプリとグランプリを発表します!




準グランプリ!


Ezoshika Gourmet Club!

「コントラスト」- Ezoshika Gourmet Club【Music Video】


スタイリッシュにPOP、ダンサブル、疾走感などを多岐に表現していくサウンドに、
力強い歌声と、1音1音の強さがマッチする。
若さもありながら、もう生まれたときから既に垢抜けているんじゃないかというサウンドは、聴いているだけでも色彩豊かな世界に連れていってくれる。
最近はポップサウンド×ロックミュージックの高いレベルでの組合せが主流となっているが、サウンド・歌詞・声・ライブなどの要素で、大抵のインディーズバンドはどこかに隙がある。
しかし彼らにはそれが非常に少なく、今後も多くの人を高次元な世界に連れていくだろうと思い選出しました!

MASH HUNTのBEST ARTIST受賞は大きいが、恐らく年間の勝負になると、また2~4組ライバルが出てくるだろう。
来年も進化して、そこを勝ち抜いてほしい!


グランプリ!!!


業界的に映えありはしないけど、
第2回年間先取りアーティスト大賞は……







ルサンチマン

eggs.mu



衝動的でどこまでも鋭利に刺してくるサウンドながら、
刺さってから分かる、斜に構えてはなく今を生きる若者の弱さや脆さや優しさが正直に溢れてくること。
この絶妙なクセの塩梅による表現力が、
多くのバンドの中でも抜群なレベルの高さを示している。
昨年頃からMr.ふぉるてやマッシュとアネモネから始まり出して、
リュックと添い寝ごはん、高校の先輩であるクジラ夜の街の羽ばたき、
そしてそれを受け、さらに最高を更新する世代の代表として、爆発力のあるルサンチマンが切り拓くのではないかという期待が、この3歩先行く先取り大賞にピッタリ!
よって今回大賞に選ばさせていただきました!
企画にも呼びました!

ただ、年間大賞は最後まで悩みました。
10代で言えば、もちろん企画出てくださるMINOR THIRDやヒライスが1位でもいいんじゃないかと思いましたし、僕の中で僅差です。審査員、僕しかいないんですけど。
しかし現時点では、僕はルサンチマンの繊細かつ痛快さにシーンに変化をもたらす予感があります。


まーとーめー


さぁ、ということで今年もインディーズ情報まとめさせていただきました!
おめでとうございます、というよりは今年もありがとうございます!
本当に先取りなので、
この中にいない紹介アーティストが大当たりする可能性もありますし、
5年くらいかけてすごいバンドになるタイプも出てくるでしょう。
月間大賞のメンツでも、覚醒タイプと地道タイプに分かれていますし、
オレンジスパイニクラブやSULLIVAN's FUN CLUBあたりも今年紹介したんですが、
もう来年一般的な認知度も急上昇するんじゃないでしょうか。

ただ10代アーティストが元気な分言いたいんですが、
今の勢いも大事ですが、ちゃんと勉学や友達との遊びも大事にしてほしいし、道悩んでも迷ってはないと思ってほしいですね。別に全てが音楽に通じなくてもいいですし。
緑黄色社会だって、高校2年生の閃光ライオット準優勝の後は、結構地道にじっくり音楽と向き合ってました。
全然すぐじゃなくていい。もし続けられるならで大丈夫なので、
自分たちなりの上を目指す方法、仲間を大切する方法で楽しんでほしいです。

個人的にも今年は初めて企画をしたり、Eggsで文章書かせていただいたりしました。
しかしもっともっと、どっちかと言えばライブハウスに行くという選択肢のないような人にも届くように、
遊津場の活動を続けさせていただければと思います!
僕もそっち側なんで!


本当に今年は知識を得た1年でした。
それでは、また来年。