2019年のロッキンの出演者発表が終わりました(多分)(シークレットがいると思ってる)。
実は世代交代を感じました。
GRASS STAGEを掴み始めたオーラルやフォーリミの世代のその次を担う世代から多くのメンバーがついにロッキンを射程に捉え、
だいぶこの世代にも箔がついてきたんじゃないでしょうか?
今のONAKAMAやフレデリック、KANA-BOONやキュウソネコカミなとは30才前後(に見えないので調べたけど)で少し上なんですよね。
で、今回揃い始めた年代は、
僕の同い年から少し年下の年代の24~26才の年代です。
この世代はヤバイTシャツ屋さんやポルカドットスティングレイ、Saucy DogやKing Gnuといった、既に大型フェス常連ももちろんいますが、今回ロッキンで、
- ユアネス
- WOMCADOLE
- Half time Old
- the quiet room
- lvy to Fraudulent Game
- ハンブレッダーズ
- reGretGirl
ここら辺が初出場、もしくは2回目の出演を果たしたことで、
最初にあげたバンド達がもう新星扱いされなくなる、「強い年代」を印象付けるには申し分なくなってきたという変化を感じました。
BKWしてきたオーラルを、いよいよBKWするだけの準備が世代として整った的な。(彼らそんなこと言ったら「面白ぇ!!もっとこいやー!!!!!」って言いそうだけど)
そしてその「強い」はかなり今までとは違うんじゃないかと、同年代の一人として思うわけです。
ネットとこの世代
この年代って、良くも悪くもネットやフェスブームに振り回されてる時代を過ごしてきた世代と思います。
メリットも知り、デメリットも痛感し、新たなプレッシャーやナーバス項目も覚えた年代。
1番の変化はYOUTUBEやSNSで手軽に音源が投稿できるようになったのが一般化したことです。
それが良ければ、あれよあれよと拡散されていくこと。そのプロセスも見えるようになってきて、作戦を練るようになってきたこと。
バンド運営当初から、ネットのメリット・デメリットを考えることを自然にできるようになった、初の年代だと思います。
これは僕も同年代だから分かりますけど、2012年の秋頃には、メールがLINEに代わり、mixiは終焉を迎え、ボカロのような動画投稿が浸透し始め、ネットの力が格段に伸び始めたことを実感してるからです。
ヤバTのこやまさんやポルカの雫さんは、元々そこの活用も天才的なところもありますが、
最初に書いたバンドも、そういうところの意識から、勝ち取ったものは少なからずあると思います。
ただデメリットもかなりあります。
いわれなき誹謗中傷。
それで叩きまくられる先輩バンドの姿を見たくなくても入ってきてしまう情報。
「◯◯っぽい」の乱立。
ファンの移り変わるスピードの速さ。
1曲のイメージでライブのイメージまで決定付けられる怖さ。
「ネットで話題!」と今までの地道な苦労を無意識に無視される歯痒さ。バズるという言葉は罪ですね。
まだまだ無影響とはいえバンド紹介アカウントしてる身として、少し反省するところもあると思います。
バンドマンというか、こういうアーティストさんというのは、繊細な方やピュアな方も多い中、戦うプレッシャーの数は増えまくっているでしょう。
さっき天才的と言ったヤバTこやまさんやポルカ雫さんも、多分想像絶するそういうことがあっての今だと思います。
その中でも、言葉を紡ぎ、曲を作り、ネットで繋がるファンのフォローもしながら、
目の前の見えているお客さんに妥協なくライブをし続けてきた結果掴んだロッキンのステージは、彼らが年代ならではこその困難・規制を乗り越えて、より強いメッセージを与える本物のライブバンドになったことの証明であり、今、ロッキンに出演する上の世代に脅威を十二分に与えているのではないでしょうか。
ここまで書いておいてなんですが、正直今まで名前を出したバンドは半数も見たことありません。
ただ生で見るreGretGirlの『ホワイトアウト』は平部さんの表情がここまで歪むかってくらい感情が詰まった想像以上に男臭いアクトです。
ハンブレッダーズの生で届いてくる、あの言葉の力が、何千人という人を包み込むあの瞬間はちょっとした風景遺産です。
比較的世に出るのが早かったSaucy Dogも、今までの苦労みたいなのは感じるからこその、より爽やかなアクトに思いました。
いずれもネットでのプラスのイメージもありつつ、更なるプラスを加えてくれるライブでした。
なのできっとthe quiet roomはポップなだけじゃないし、WOMCADOLEは音圧だけじゃない。
個人的に気になるのはユアネスですね。
あの繊細な世界観がライブでどんな空間を生むのか。絶対BUMPとは違う。(昔そんなツイートしてたような)
僕も元々超ド田舎地方勢なので「ライブ見てこそファン!」という締め括りたくはしたくないんですけど、
行かれる方はそこに立つ若きバンドマンの姿をしっかり目に焼き付けてほしいですね。
乱立するコンテスト出身バンドとの戦いを駆け抜けてきた
フェスブームにともない、今本当にROJACKや未確認フェスティバルのようなコンテストが各地やレーベルで乱立して、定着したと思います。
定着した結果どうなったかと言うと、もう大賞を取ったからと言っても、すぐにブレイクするみたいなことはないということです。
the quiet roomやHalf time Oldにしても、元々RO69(今のROJACK)の優勝者。
もちろん何もないよりは注目されたと思いますが、すぐにあらゆる大型フェスに出演してたかというとしてないです。
増えすぎた「◯◯コンテスト優勝バンド・入賞バンド」の実力ある山の中で、さらに個性を出さなければならなくなっていたと思います。
でも現場から求められるハードルは優勝者のそれ。
でもファンから求められるのは、そのコンテストの印象のそれや一番再生回数伸びたMVのそれ。
全部妄想になるんですけど、こういうとこの差に「あれ?こんなはずでは…」というタイミングが、どのバンドも多かったでしょう。
それは未確認フェスティバル(当時は閃光ライオットかな)で決勝に出たWOMCADOLEやlvyもだと思います。
2013年頃のフェスブームから、コンテストやそれに付随して増えたサーキットフェスによって、早々に名前を聞く良質な若いバンドは増えていました。
もちろんコンテストやMVでのきっかけで吹いた風に上手く乗って、そのままの勢いでスイスイとロックシーンを駆け抜ける若手バンドも少なからずいます。
ただその分、20歳を過ぎ周りが就職などし始めるタイミングで「えぇ…!」っていう若手バンドが解散することも目立つようになってきました(SNSでもすぐ回ってくるし)
先述のバンドにしても、ここに来るまで脱退や前のバンドの解散はしっかり経験している人のほうが多い。
どんどん同年代バンドが伸びてく焦り。
逆に良いと思ってた同年代バンドが目に見えてどんどん解散していく焦り。
そのダブルの焦りを耐え忍んだ末のロッキンでの共演はやはりストーリーを感じますし、まだこれがストーリーの終わりではないって感じも新しいですね。
より戦い続けていくでしょう。
まーとーめー
まぁこういう風に現代風叩き上げのようなバンドが次の全国的な邦ロックシーンの一翼を担うんだろうなということを感じさせる、
今回のロッキンの出演者のイメージです。
ただ少し余談ですが、今邦ロックシーンのブーム的に、すぐ下の世代や10代バンドへの注目がかなり高くなっていると思います。
すぐ下にはthe shes goneやpostmanやofulover、錯乱全線、ステレオガール、Mr.ふぉるて、Hakubi、UMEILO、リュックと添い寝ごはんなど。
特に10代バンドへの注目度の上がりようがすごく、今の邦ロックシーンの一大トレンドになっています。
まず普通にドエライ技術力だし、今のROJACK入賞20組見ても、どのEggsで話題になってる高校生バンドをロッキン側がかっさらいたいかっていうムードになってる。
こういう年代にとってはCDやYOUTUBEの価値観も徐々に変わってきていて、
今や初めての流通版CDや公式MVを出す頃には既に知られている、という速度に変わりつつある。
UMEILOも早いし、ジャパネクに出演するリュックと添い寝ごはんはまだ正式にCD出してないんじゃないか。
今はEggsやsoundcloud、場合によってはTwitterやInstagramでもアピールできるし、今後も新たなツールの活用で、どんどん邦ロックシーンに革命をもたらすかもしれない。
ここに現場の経験を重ねていけば、史上最強の世代になる雰囲気がもうある。
そんな下からの強烈な突き上げも待ち構える、微妙にアナログな感覚も入ってるこの24~26才のバンドの不遇な面を上げたらキリがないかもしれない。
でもだからこそ応援しがいがあるし、本当の意味でデジタルとアナログの良さを知っている、唯一無二のこの年代にしかない人間的魅力魅力とも思える。
僕が同年代だからそう思いたいという気持ちを差し引いても。
3年後のロッキンはこの世代がどうなっているのか、今から期待したいです!